1.こめ油
原料:米糠
成分:米糠に特有の成分γ‐オリザノール(オリザノールA、オリザノールC)とオレイン酸、ビタミンE(α‐トコフェロール、α‐トコトリエノール)、ビタミンK、鉄などを含む。γオリザノールとはフェルラ酸とステロールとが縮合したエステル類の総称。
効果:以下のように多様な効果が知られています。
①自律神経調節作用:自律神経失調症の緩和に有効、自律神経のバランスを整え、肩こり、眼精疲労、腰痛、更年期に起こりやすい不定愁訴などの症状を改善する。
②皮膚の健康維持作用:皮膚の血行をよくするとともに、皮脂腺の機能を高め乾燥性の皮膚疾患を改善する。老化した角質を取り除き、皮膚の表面を膜で保護する。また、シミの原因となるメラニン色素の増殖を抑え、紫外線吸収作用があり、皮膚の酸化および老化を防ぐ。皮膚の血管を拡張し、血液循環を促進する。
③血中脂質改善効果:脂質代謝に関与し、コレステロールを低下させる。また、コレステロールの吸収・合成を抑制する効果が知られ、高コレステロール血症や動脈硬化症など脂質異常症の予防・治療薬に多く利用されている。
④生殖機能改善作用:無月経、卵巣機能障害、性腺刺激作用などの効果。
⑤抗酸化作用:ポリフェノール成分で、ビタミンEとともに抗酸化作用が知られ、脂質過酸化防止、リノール酸の体内作用の強化、ホルモンバランスの改善、脳や皮膚の老化防止などが知られている。
⑥その他、抗ストレス作用、成長促進やがん治療効果、心身症改善効果などが知られ、医薬品および化粧品としても利用されています。
医薬品としての副作用は発疹・かゆみなどのアレルギー症状、眠気•嘔吐、吐き気•下痢、脱力感、倦怠感、また、0.1%未満ですが、めまいやふらつき、頭痛、便秘、食欲不振、腹痛、口内炎、動悸、むくみ、などの症状が報告されています。
2.クリル
原料:オキアミ類
成分:EPAとDHA
効果:オキアミから抽出されるクリルにはDHA、EPAを豊富に含んでいる。DHAは脳内に存在する主要な多価不飽和脂肪酸であり、脳の発達と機能のために重要です。脳のシナプスに豊富に含まれ、ニューロンでのシグナル伝達に関与していることが示唆されています。記憶の要である大脳辺縁系の海馬にも多く含まれています。
脳の代謝・血流改善作用として、①血管壁や赤血球の細胞膜を柔らかくする。②神経伝達物質の産生量を増やすことが知られている。また、ストレス耐性を強化する働きもあるという。注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どもに症状のわずかな改善が認められたという報告があります。 さらに抗酸化成分のアスタキサンチンが含まれ脂質過酸化防止に有用です。
アスタキサンチンはビタミンEの約1000倍の抗酸化力とされ、自然界で最強の抗酸化物質との指摘があります。主な効能は脂質の酸化防止、LDLコレステロールの低下、動脈硬化の予防・改善、糖尿病性白内障の進行抑制、ストレスなどによる皮膚の免疫能低下の抑制、紫外線による皮膚の酸化防止、炎症抑制、ビタミンAの生産、概日リズムの調節などが言われています。最近、脳血管性認知症やアルツハイマー病、糖尿病の合併症、白内障、加齢性黄斑変性症などの予防効果が期待できると注目されています。
3.亜麻仁油
原料:亜麻仁種子
成分:αリノレン酸
効果:オメガ3系脂肪酸の一種であるαリノレン酸は、体内でエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)に変換される。亜麻仁油にはα-リノレン酸がゴマの約100倍含まれ、脂質異常症患者の血中中性脂肪と超低比重リポタンパク質(VLDL)値を全般に低下させると言われています。
効果としては学習能力や記憶力の向上、認知症予防、アレルギー症状の緩和、血流改善、エストロゲン作用、便秘解消、高血圧、動脈硬化、心血管疾患、骨粗鬆症、糖尿病、がんなどの生活習慣病予防など多様な効果があると言われています。ドイツでは慢性の便秘、緩下剤誘発性結腸障害、過敏性腸症候群、腸炎、憩室炎での使用を承認しています。(近藤雅雄、2015年11月23日掲載)
「くるみ」は栄養価が高く、脳や心臓の健康に効果がある
くるみは紀元前7000年前から人類が食用していたとも言われ、日本では縄文時代から食用していたとされる。米国カリフォルニア州と中国での生産が多く、日本では長野県東御市が生産量日本一です。脂質が実全体の70%を占め、必須脂肪酸オメガ3系脂肪酸(脂質を構成する脂肪酸)の一種であるα-リノレン酸も豊富に含み(くるみ(いり)100g当たり8.96gに対してアーモンドにはわずか0.01gしか含まれていない)、脳の細胞膜の構成成分となるなど、脳機能の維持に役立ちます。また、ビタミン(抗酸化に重要なEやエネルギー生産に必要なB群など)やミネラル(カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛)が豊富に含まれており、栄養価が高く、脳や心臓の健康効果があるという。また、くるみにはポリフェノール(カテキン、タンニン、エラジタンニンなど)が含まれ、脳内化学伝達物質を活性化し、認知機能を向上させる可能性が示唆されています。
2015年、米国の大規模研究によって、くるみを消費した成人の記憶力・集中力・情報処理速度などの認知機能は年齢・性別・民族性に関係なく高いことが分かりました。くるみを1日に一握り分食べている人の記憶力は、食べていない人と比較して19%高いという。
くるみを毎日食べると、腸内環境の改善、生活習慣病予防、認知機能の維持、美肌、睡眠の質の向上などが期待できますが、カロリーが高いため1日7〜10粒(約30g)程度を目安に、適量を守ることが重要です。食べ過ぎると体重増加や消化不良の可能性があるため注意が必要です。(近藤雅雄、2015年10月5日掲載、2025年10月1日更新)
2015年、米国の大規模研究によって、くるみを消費した成人の記憶力・集中力・情報処理速度などの認知機能は年齢・性別・民族性に関係なく高いことが分かりました。くるみを1日に一握り分食べている人の記憶力は、食べていない人と比較して19%高いという。
くるみを毎日食べると、腸内環境の改善、生活習慣病予防、認知機能の維持、美肌、睡眠の質の向上などが期待できますが、カロリーが高いため1日7〜10粒(約30g)程度を目安に、適量を守ることが重要です。食べ過ぎると体重増加や消化不良の可能性があるため注意が必要です。(近藤雅雄、2015年10月5日掲載、2025年10月1日更新)
お茶の主要成分であるカテキン(勝て菌)の多様な健康効果
茶類には主に緑茶類と発酵茶類に分かれる。それぞれの成分は異なるが、主成分はカテキンです。
カテキンはフラボノイドの一つで3-ヒドロキシフラバノール類の総称。茶に多く、乾物当り10%以上含んでいる。
茶カテキンの主要成分は、エピカテキン(EC) とそのヒドロキシ体のエピガロカテキン (EGC)、およびそれらの没食子酸エステルであるエピカテキンガラート (ECg) とエピガロカテキンガラート(EGCg)の4種です。緑茶の渋み成分としての含有量は EGCg>EGC>ECg>ECの順です。カテキンには血圧上昇抑制作用、血中コレステロール調節作用、血糖値調節作用、抗酸化作用、老化抑制作用、抗突然変異、抗がん、抗菌、抗う蝕、抗アレルギー作用、脳の萎縮を抑える、動脈硬化予防、インフルエンザ感染予防、消臭などなど多様な効果が報告されています。また、認知症を予防するのではと期待されています。(近藤雅雄、2015年10月5日掲載)
カテキンはフラボノイドの一つで3-ヒドロキシフラバノール類の総称。茶に多く、乾物当り10%以上含んでいる。
茶カテキンの主要成分は、エピカテキン(EC) とそのヒドロキシ体のエピガロカテキン (EGC)、およびそれらの没食子酸エステルであるエピカテキンガラート (ECg) とエピガロカテキンガラート(EGCg)の4種です。緑茶の渋み成分としての含有量は EGCg>EGC>ECg>ECの順です。カテキンには血圧上昇抑制作用、血中コレステロール調節作用、血糖値調節作用、抗酸化作用、老化抑制作用、抗突然変異、抗がん、抗菌、抗う蝕、抗アレルギー作用、脳の萎縮を抑える、動脈硬化予防、インフルエンザ感染予防、消臭などなど多様な効果が報告されています。また、認知症を予防するのではと期待されています。(近藤雅雄、2015年10月5日掲載)
ガンマ‐アミノ酪酸(GABA,ギャバ)は脳内で生産される
γ‐アミノ酪酸(GABA)は主に海馬、小脳、脊髄などに存在し、脳内の抑制性神経化学伝達物質として重要なアミノ酸です。ギャバは脳内のグルタミン酸から生産されます。GABA作動性のニューロンとしては大脳基底核の線条体からの投射ニューロンや、小脳のプルキンエ細胞などがあります。
玄米には天然ギャバが多く含まれ、さらに発芽することによって増加し、発芽玄米には白米の約10倍のギャバが含まれるともいわれている。その他、緑茶葉を窒素ガス下で処理したギャバロン茶やぬか漬けなどにも含まれています。
主な生理作用としては、脳の血流改善、記憶障害や意欲低下の改善、脳代謝改善、血圧降下、精神安定、腎・肝機能活性、アルコール代謝促進作用、消臭、大腸がん抑制作用などが期待されているが、ヒトでの有効性・安全性については信頼できるデータが見当たらないため、妊娠中・授乳中の使用は避ける。
現在、ギャバは血液脳関門を通過しない物質であることがわかっており、サプリメントとしてギャバを摂取しても、それが神経化学伝達物質としてそのまま作用することはありません。(近藤雅雄、2015年10月5日掲載)
玄米には天然ギャバが多く含まれ、さらに発芽することによって増加し、発芽玄米には白米の約10倍のギャバが含まれるともいわれている。その他、緑茶葉を窒素ガス下で処理したギャバロン茶やぬか漬けなどにも含まれています。
主な生理作用としては、脳の血流改善、記憶障害や意欲低下の改善、脳代謝改善、血圧降下、精神安定、腎・肝機能活性、アルコール代謝促進作用、消臭、大腸がん抑制作用などが期待されているが、ヒトでの有効性・安全性については信頼できるデータが見当たらないため、妊娠中・授乳中の使用は避ける。
現在、ギャバは血液脳関門を通過しない物質であることがわかっており、サプリメントとしてギャバを摂取しても、それが神経化学伝達物質としてそのまま作用することはありません。(近藤雅雄、2015年10月5日掲載)
イチョウの葉や根に含まれるブレインフード「ギンコライド」
イチョウの葉や根に含まれるテルペノイド。末梢血管の拡張や血液粘性の低下による血流改善、脳組織のブドウ糖濃度低下作用があるとされています。イチョウ葉にはその他同じテルペノイド類のビロバリド、フラボノイド類のケンフェロール、ビロベチン、ギンゲチンなどを含んでいます。
ヨーロッパでは動脈硬化、肩こり、冷え性などの血行障害や老人性認知症の治療薬として広く利用されています。イチョウ葉の血流改善効果としてはテルペンラクトンやフラボノイドが抗酸化(LDLの酸化防止)、血小板凝集抑制、血管拡張の3つの作用を引き起こし、血流を改善する。記憶の要、大脳辺縁系の海馬に含まれるトランスサイレチンを増やし、アミロイドβ-ペプチド(細胞外老人斑)の蓄積を防いでアルツハイマー病の発症を予防すると期待されています。その他、抗がん作用、高血圧・血管拡張・脂質代謝改善などに有効だと言われています。(近藤雅雄、2015年10月5日掲載)
ヨーロッパでは動脈硬化、肩こり、冷え性などの血行障害や老人性認知症の治療薬として広く利用されています。イチョウ葉の血流改善効果としてはテルペンラクトンやフラボノイドが抗酸化(LDLの酸化防止)、血小板凝集抑制、血管拡張の3つの作用を引き起こし、血流を改善する。記憶の要、大脳辺縁系の海馬に含まれるトランスサイレチンを増やし、アミロイドβ-ペプチド(細胞外老人斑)の蓄積を防いでアルツハイマー病の発症を予防すると期待されています。その他、抗がん作用、高血圧・血管拡張・脂質代謝改善などに有効だと言われています。(近藤雅雄、2015年10月5日掲載)
スルフヒドリル基を有するグルタチオン(GSH)の健康影響
グルタチオンはγ-グルタミンシステイングリシンとも呼ばれ、グルタミン酸、システイン、グリシンから成るトリペプチドです。体内に大量存在し、メルカプト基(-SH、水硫基、チオール基、スルフヒドリル基とも呼ぶ)を持ち、これが過酸化物や活性酸素種を還元・消去すると共に、様々な毒物・薬物・伝達物質等を細胞外に排出して細胞を保護します。
牛レバー、マダラ、赤貝、ほうれん草、ブロッコリー、酵母などに含まれていますが食品の鮮度や加熱などによって変化します。
生理作用は体内の還元、細胞の機能低下や変異をもたらす有毒物質の解毒に関与しています。
医学的には、慢性肝疾患、薬物中毒、妊娠中毒症、角膜障害、皮膚障害、放射線や抗がん剤による白血球減少の予防および症状の改善に、また、ストレス解消、老化防止などにも有効といわれています。慢性肝障害、角膜損傷、皮膚障害などの医薬品としても使われています。
さらに、抗酸化・解毒作用があり、細胞内還元、過酸化水素の還元(無毒化)、ビタミンCの還元、酵素の補酵素などとして機能しているため、老化防止、パーキンソン病や認知症の予防、アルコール性脂肪肝・肝機能障害・放射線障害・白内障などの予防が期待されています。(近藤雅雄、2015年10月5日掲載)
牛レバー、マダラ、赤貝、ほうれん草、ブロッコリー、酵母などに含まれていますが食品の鮮度や加熱などによって変化します。
生理作用は体内の還元、細胞の機能低下や変異をもたらす有毒物質の解毒に関与しています。
医学的には、慢性肝疾患、薬物中毒、妊娠中毒症、角膜障害、皮膚障害、放射線や抗がん剤による白血球減少の予防および症状の改善に、また、ストレス解消、老化防止などにも有効といわれています。慢性肝障害、角膜損傷、皮膚障害などの医薬品としても使われています。
さらに、抗酸化・解毒作用があり、細胞内還元、過酸化水素の還元(無毒化)、ビタミンCの還元、酵素の補酵素などとして機能しているため、老化防止、パーキンソン病や認知症の予防、アルコール性脂肪肝・肝機能障害・放射線障害・白内障などの予防が期待されています。(近藤雅雄、2015年10月5日掲載)
心不全を予防する細胞内代謝物コエンザイム Q10の作用
欧米のダイエタリー・サプリメント。
コエンザイム Q10はユビキノンのことで別名補酵素Q、ビタミンQ、ユビデカレノンなどと呼ばれています。
ユビキノンは日本では1970年代から医療用医薬品として軽度および中等度のうっ血性心不全などに用いられてきました。安全性は比較的高く、米国ではコエンザイムQ10(CoQ10、コーキューテン)の名称でサプリメントとして広く用いられ、医師の処方箋なしに消費者が直接店頭などで購入できます。日本でも2001年に医薬品の範囲に関する基準(食薬区分)が改正され、さらに2004年化粧品基準が改正され、健康食品や化粧品への利用に道が開かれました。
生理作用としては細胞内の発電所といわれるミトコンドリアに多く含まれ、体内のエネルギー物質であるATP(アデノシン三リン酸)の生産に重要な働きをしている補酵素で、加齢と共に減少する。日本では心筋代謝改善薬として心臓病の治療薬としても使用されています。
また、老化防止、疲労回復、糖尿病、神経疾患などのリスク軽減、動悸、息切れ、冷え性、運動能力の回復、精子の活発化、免疫増強などの作用が知られています。抗酸化作用による老化防止(アンチエイジング)作用が注目されていますが、臨床的データは乏しい。ビタミンEに似た作用をもつのでビタミンQとも呼ばれています。(近藤雅雄、2015年10月5日掲載)
コエンザイム Q10はユビキノンのことで別名補酵素Q、ビタミンQ、ユビデカレノンなどと呼ばれています。
ユビキノンは日本では1970年代から医療用医薬品として軽度および中等度のうっ血性心不全などに用いられてきました。安全性は比較的高く、米国ではコエンザイムQ10(CoQ10、コーキューテン)の名称でサプリメントとして広く用いられ、医師の処方箋なしに消費者が直接店頭などで購入できます。日本でも2001年に医薬品の範囲に関する基準(食薬区分)が改正され、さらに2004年化粧品基準が改正され、健康食品や化粧品への利用に道が開かれました。
生理作用としては細胞内の発電所といわれるミトコンドリアに多く含まれ、体内のエネルギー物質であるATP(アデノシン三リン酸)の生産に重要な働きをしている補酵素で、加齢と共に減少する。日本では心筋代謝改善薬として心臓病の治療薬としても使用されています。
また、老化防止、疲労回復、糖尿病、神経疾患などのリスク軽減、動悸、息切れ、冷え性、運動能力の回復、精子の活発化、免疫増強などの作用が知られています。抗酸化作用による老化防止(アンチエイジング)作用が注目されていますが、臨床的データは乏しい。ビタミンEに似た作用をもつのでビタミンQとも呼ばれています。(近藤雅雄、2015年10月5日掲載)
沖縄名産,ゴーヤ(苦瓜)の主な成分と健康効果と注意事項
ウリ科ツルレイシ属蔓性1年生草本で、果実に特有の苦みがあり、食用としての風味となっています。熱帯アジアが原産地で、中国や東南アジアでは重要な野菜となっています。ヨーロッパでは観賞用として栽培されています。日本では南西諸島と南九州で多く栽培されてきました。比較的害虫に強く、日照、気温と十分な水さえあれば、肥料や農薬はほとんど使わなくても収穫が得られるため、全国的な広がりを見せ、家庭菜園でも人気が高い。沖縄では古くからゴーヤ(苦いうりの意味)と呼ばれ、夏の重要な野菜です。
1.主な成分と効果
果皮を中心に、ビタミンC、ビタミンB1、B2、葉酸、カリウム、カルシウム、鉄、食物繊維が豊富。種子には共役リノレン酸を含みます。
苦み成分はチャランチンとモモルデシン、コロコリン酸であり、チャランチンとコロコリン酸は植物インスリンともいわれ、血糖値の正常化に働き、糖尿病の血糖値改善(食後高血糖改善)に役立ちます。動物およびヒトで、肝臓や筋肉へのブドウ糖の取り込みを促進し、グリコーゲンの合成を促します。
科学的根拠としては、糖尿病患者に苦瓜を投与すると空腹時血糖や食後高血糖が改善されたとする報告は数多くあります。また、動物実験において、糖尿病改善効果、抗ウイルス作用、抗炎症作用、コレステロール低下作用、抗癌作用なども報告されています。
1)チャランチン
脂溶性の物質であり、膵ランゲルハンス島のβ細胞に働きかけてインスリンの分泌を促し、血糖低下作用が知られています。血糖値が下がった場合は、α細胞からグルカゴンを分泌し血糖値を上昇させ血糖値を安定させるので低血糖になりません。すなわち、インスリンとグルカゴンの分必を促進し、血糖値を調節する作用があると言われています。
2)モモルデシン
抗酸化作用をもつサポニン類の一種で、食物繊維、苦味成分の1つです。食物繊維は腸内の善玉菌の増殖を促進し、糞便量を増やし、腸内環境を整える。サポニンにはコレステロールや老廃物を排出し、動脈硬化、糖尿病、がんの予防、胆汁酸の分泌や産生を促してコレステロール値を低下させます。したがって、血糖値や血圧を下げ、食欲増進作用、整腸作用などが知られています。
3)ビタミンC
抗酸化作用があり、苦瓜100g中にビタミンCが76mg含まれ、加熱に強い。
4)共役リノレン酸は脂肪の吸収や蓄積を抑制する。
5)その他
ビタミンBはエネルギー(ATP:アデノシン三リン酸)の生産に不可欠であり、疲労回復、皮膚や粘膜を正常化に役立つ。鉄分と葉酸は貧血を予防する。カリウムは腎臓でナトリウムの排泄に働きます。
2.注意事項
サプリメントとして摂取する場合、健康被害や副作用は知られていないが血糖低下作用があるため、効果の現れやすい子どもや高齢者では注意が必要です。また、妊娠中や糖尿病患者の場合は医師に相談する。腹痛や下痢といった消化器症状、頭痛などが現れた場合は服用を見合わせる。 (近藤雅雄、2015年8月11日掲載)
1.主な成分と効果
果皮を中心に、ビタミンC、ビタミンB1、B2、葉酸、カリウム、カルシウム、鉄、食物繊維が豊富。種子には共役リノレン酸を含みます。
苦み成分はチャランチンとモモルデシン、コロコリン酸であり、チャランチンとコロコリン酸は植物インスリンともいわれ、血糖値の正常化に働き、糖尿病の血糖値改善(食後高血糖改善)に役立ちます。動物およびヒトで、肝臓や筋肉へのブドウ糖の取り込みを促進し、グリコーゲンの合成を促します。
科学的根拠としては、糖尿病患者に苦瓜を投与すると空腹時血糖や食後高血糖が改善されたとする報告は数多くあります。また、動物実験において、糖尿病改善効果、抗ウイルス作用、抗炎症作用、コレステロール低下作用、抗癌作用なども報告されています。
1)チャランチン
脂溶性の物質であり、膵ランゲルハンス島のβ細胞に働きかけてインスリンの分泌を促し、血糖低下作用が知られています。血糖値が下がった場合は、α細胞からグルカゴンを分泌し血糖値を上昇させ血糖値を安定させるので低血糖になりません。すなわち、インスリンとグルカゴンの分必を促進し、血糖値を調節する作用があると言われています。
2)モモルデシン
抗酸化作用をもつサポニン類の一種で、食物繊維、苦味成分の1つです。食物繊維は腸内の善玉菌の増殖を促進し、糞便量を増やし、腸内環境を整える。サポニンにはコレステロールや老廃物を排出し、動脈硬化、糖尿病、がんの予防、胆汁酸の分泌や産生を促してコレステロール値を低下させます。したがって、血糖値や血圧を下げ、食欲増進作用、整腸作用などが知られています。
3)ビタミンC
抗酸化作用があり、苦瓜100g中にビタミンCが76mg含まれ、加熱に強い。
4)共役リノレン酸は脂肪の吸収や蓄積を抑制する。
5)その他
ビタミンBはエネルギー(ATP:アデノシン三リン酸)の生産に不可欠であり、疲労回復、皮膚や粘膜を正常化に役立つ。鉄分と葉酸は貧血を予防する。カリウムは腎臓でナトリウムの排泄に働きます。
2.注意事項
サプリメントとして摂取する場合、健康被害や副作用は知られていないが血糖低下作用があるため、効果の現れやすい子どもや高齢者では注意が必要です。また、妊娠中や糖尿病患者の場合は医師に相談する。腹痛や下痢といった消化器症状、頭痛などが現れた場合は服用を見合わせる。 (近藤雅雄、2015年8月11日掲載)
コーヒー中のクロロゲン酸は微量で,作用は期待できない
クロロゲン酸はコーヒー酸(カフェ酸ともいう)とキナ酸のエステル化合物。コーヒー豆から初めて単離され、現在ではエゾウコギ、多くの双子葉植物(ナス科、セリ科、キク科に多く見られる)の種子や葉から見出されています。コーヒー豆中に5〜10%含まれ、カフェイン(1〜2%)よりも多い。
クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、コーヒーの苦味や香りを出したり、ゴボウなどの野菜の切り口を茶色く変色させたりする成分。食品加工中の褐変や変色の原因となります。
効果は、抗酸化、消臭効果、発癌性物質の生成を抑える効果、胃潰瘍発生予防効果、老化防止効果、ダイエット効果などが報告されています。
しかし、コーヒーに含まれているクロロゲン酸量は微量で、しかも、クロロゲン酸は熱に弱く、200℃以上で焙煎するとコーヒー酸とキナ酸に分解されてしまう。
したがって、コーヒーを飲んでも、カフェインは摂取できるが、クロロゲン酸は殆ど摂取できません。つまり、コーヒーを飲んでいても痩せないと言われています。(近藤雅雄:2015年8月7日掲載)
クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、コーヒーの苦味や香りを出したり、ゴボウなどの野菜の切り口を茶色く変色させたりする成分。食品加工中の褐変や変色の原因となります。
効果は、抗酸化、消臭効果、発癌性物質の生成を抑える効果、胃潰瘍発生予防効果、老化防止効果、ダイエット効果などが報告されています。
しかし、コーヒーに含まれているクロロゲン酸量は微量で、しかも、クロロゲン酸は熱に弱く、200℃以上で焙煎するとコーヒー酸とキナ酸に分解されてしまう。
したがって、コーヒーを飲んでも、カフェインは摂取できるが、クロロゲン酸は殆ど摂取できません。つまり、コーヒーを飲んでいても痩せないと言われています。(近藤雅雄:2015年8月7日掲載)
健康補助食品ギムネマシルベスタ食品は血糖値改善に効果
インド、東南アジア、熱帯アフリカ、オーストラリアなどに自生するつる性植物で、インドでは2500年前から生薬として健胃、強壮、糖尿病治療などに用いられてきた伝承医学であり、最近ではダイエット効果でも注目されている。
ギムネマとは「砂糖を壊すもの」というヒンディー語で、ギムネマ・シルベスタの葉をかむと1~2分で甘味だけを感じなくなる。この作用はよくわかっていないが、舌の味細胞の甘味受容体の興奮抑制作用と推測されている。また、葉に含まれているギムネマ酸は小腸からの糖吸収抑制作用、虫歯を防ぐ抗う蝕作用、血糖値と血中インスリン値の上昇抑制が認められ、糖尿病の改善に効果があるといわれている。しかし、ギムネマのヒトにおける安全性や有効性は不明確である。(近藤雅雄、2015年7月26日掲載)
ギムネマとは「砂糖を壊すもの」というヒンディー語で、ギムネマ・シルベスタの葉をかむと1~2分で甘味だけを感じなくなる。この作用はよくわかっていないが、舌の味細胞の甘味受容体の興奮抑制作用と推測されている。また、葉に含まれているギムネマ酸は小腸からの糖吸収抑制作用、虫歯を防ぐ抗う蝕作用、血糖値と血中インスリン値の上昇抑制が認められ、糖尿病の改善に効果があるといわれている。しかし、ギムネマのヒトにおける安全性や有効性は不明確である。(近藤雅雄、2015年7月26日掲載)
コラーゲンを食べても血管や筋肉・骨,皮膚にはならない
加齢とともに肌が衰えてくるのはコラーゲンの生産能力が低下するためとも言われています(40歳で半減する)。コラーゲンは皮膚や血管、細胞間の結合組織、骨や歯の有機質の成分で、からだの全たんぱく質の約30%を占めています。
機能としては細胞や組織の粘着剤となって丈夫な血管や骨、筋肉、皮膚、頭髪、内臓などからだ全体の老化を防ぐともいわれています。最近ではがん予防効果への期待がいわれています。
鶏の手羽肉、ガラ、豚足、豚耳、スペアリブ、牛筋、ドジョウ、ナマコ、ふかひれなどに多く含まれています。
コラーゲンを食品と摂取すると小腸から分泌されるタンパク質分解酵素によって分解され、アミノ酸となります。したがって、コラーゲンを摂取しても効果はありません。コラーゲンは体内で合成されるため、生産を促進するビタミンCを摂取する。ビタミンCが欠乏するとコラーゲンの生成が抑制され、血管が壊れて出血する病気「壊血病」になります。小児では骨の形成不全が見られます。(近藤雅雄、2015年7月10日掲載)
機能としては細胞や組織の粘着剤となって丈夫な血管や骨、筋肉、皮膚、頭髪、内臓などからだ全体の老化を防ぐともいわれています。最近ではがん予防効果への期待がいわれています。
鶏の手羽肉、ガラ、豚足、豚耳、スペアリブ、牛筋、ドジョウ、ナマコ、ふかひれなどに多く含まれています。
コラーゲンを食品と摂取すると小腸から分泌されるタンパク質分解酵素によって分解され、アミノ酸となります。したがって、コラーゲンを摂取しても効果はありません。コラーゲンは体内で合成されるため、生産を促進するビタミンCを摂取する。ビタミンCが欠乏するとコラーゲンの生成が抑制され、血管が壊れて出血する病気「壊血病」になります。小児では骨の形成不全が見られます。(近藤雅雄、2015年7月10日掲載)
玉ねぎに含まれている「ケルセチン」で心臓病の予防を
軟骨の構成成分「グルコサミン」で中高年の膝の痛みを緩和
カニの甲羅やエビの殻などに含まれるキトサンを化学処理してバラバラに分解するとグルコサミンが生産されます。グルコサミンは軟骨細胞内でグルコース(ブドウ糖)から合成されるアミノ酸(グルコースとアミンが結合した小さな分子)の一種で、グリコサミノグリカンというムコ多糖類の産生を促進し、軟骨の再生に働く成分で、私たちの軟骨の構成成分でもあります。
関節痛、関節炎や痛風の緩和、スポーツ障害の改善に有効といわれているが、中高年には加齢に伴うひざの痛み緩和、軟骨のすり減り防止、症状の改善(とくに変形性関節症に効果がある)など人での多くの根拠があります。しかし、子供や成長期の若年者には本来備わっている軟骨生産能力が衰えることが心配です。(近藤雅雄、2015年7月10日掲載)
関節痛、関節炎や痛風の緩和、スポーツ障害の改善に有効といわれているが、中高年には加齢に伴うひざの痛み緩和、軟骨のすり減り防止、症状の改善(とくに変形性関節症に効果がある)など人での多くの根拠があります。しかし、子供や成長期の若年者には本来備わっている軟骨生産能力が衰えることが心配です。(近藤雅雄、2015年7月10日掲載)
整腸作用や免疫力を高める不溶性食物繊維「グルカン」
エネルギー(ATP)生産に不可欠な「クエン酸」で疲労回復
コレステロールを吸着して排泄させる「キチン・キトサン」
キチンはN-アセチルグルコサミンがβ-1,4結合した多糖で、カニ、エビ、シャコ、オキアミといった甲殻類の殻、イカの軟骨、イナゴなどの昆虫の殻、きのこ、酵母、カビなどの細胞壁に含まれています。不溶性の食物繊維の成分でもあります。キチンを濃アルカリ溶液に漬けて熱処理するとキトサンに変化します。
キトサンはビフィズス菌の増殖を促進し、腸内環境の改善を図るほか、がん予防、高血圧予防、動脈性疾患予防、免疫増強作用、アレルギー疾患改善、便秘改善、肥満防止や神経痛、腰痛の改善、白内障や骨粗鬆症などの改善作用があるといわれています。しかし、人での科学的な比較試験で確立しているのは、今のところコレステロールの低下作用だけといわれています。とくにダイエットやがん治療効果を示す臨床的根拠はないようです。(近藤雅雄、2015年7月10日掲載)
キトサンはビフィズス菌の増殖を促進し、腸内環境の改善を図るほか、がん予防、高血圧予防、動脈性疾患予防、免疫増強作用、アレルギー疾患改善、便秘改善、肥満防止や神経痛、腰痛の改善、白内障や骨粗鬆症などの改善作用があるといわれています。しかし、人での科学的な比較試験で確立しているのは、今のところコレステロールの低下作用だけといわれています。とくにダイエットやがん治療効果を示す臨床的根拠はないようです。(近藤雅雄、2015年7月10日掲載)
脂肪を分解しエネルギー消費を促進する「カプサイシン」
カプサイシンはIUPAC(国際純正・応用化学連合)による化学名は8-メチル-N-バニリル-trans-6-ノネンアミドと呼ばれ、唐辛子の辛味成分です。バニリルアミンに有機酸がアミド結合しているバニリルアミドを一般にカプサイシン類と呼び、唐辛子には約20種類が見出されています。
効果としては、体内に蓄積された脂肪を分解し、エネルギー消費を促進することから、肥満防止、食欲増進、疲労回復、冷え症改善、ダイエット効果等に有効といわれています。しかし、ダイエット効果については、国立健康・栄養研究所によれば、経口摂取によるカプサイシンの有効性に関して、ヒトでの信頼できるデータはあるが効果の報告に矛盾があり十分ではないと報告しています。
また、医薬品としてはカプサイシン単体ではないものの、トウガラシチンキとして湿布や外用消炎鎮痛剤等の外用薬に使用されています。(近藤雅雄、2015年7月10日掲載)
効果としては、体内に蓄積された脂肪を分解し、エネルギー消費を促進することから、肥満防止、食欲増進、疲労回復、冷え症改善、ダイエット効果等に有効といわれています。しかし、ダイエット効果については、国立健康・栄養研究所によれば、経口摂取によるカプサイシンの有効性に関して、ヒトでの信頼できるデータはあるが効果の報告に矛盾があり十分ではないと報告しています。
また、医薬品としてはカプサイシン単体ではないものの、トウガラシチンキとして湿布や外用消炎鎮痛剤等の外用薬に使用されています。(近藤雅雄、2015年7月10日掲載)



