1990年代に、コスモ石油株式会社中央研究所の田中徹博士が光合成菌を使い、ポルフィリンの前駆物質δ(5)-アミノレブリン酸(ALA)を製造する「発酵法」を開発してから、ALAの低コスト大量生産が可能となりました。この偉大な発見によって、研究用試薬としてだけでなく、多方面への研究に利用されるようになりました(これまで、ALAの人工合成は回収率が悪く、高価でした、そのためにポルフィリン・ヘムの研究はなかなか進みませんでした)。
2000年代に入り、コスモ石油は5-アミノレブリン酸(ALA)の植物への影響に関する研究を本格的にスタートしています。そして、2004年10月にはALA含有製品製造販売会社が設立され、国内販売に続き海外販売も本格的に展開しています。
同時期、コスモ石油の研究員数名が筆者の職場であった国立健康・栄養研究所にALAのカプセルを持参したので、私はそれを濃度を変えて服用し、自らの血液および尿中のポルフィリン代謝物を測定し、安全性と有効性を確認しました。その後、田中氏と宮成節子氏と3人で新大久保のなまず屋(2008年に閉店)で会食し、さまざまなALAの夢を語ったことを昨日のように覚えています。そして、数年でしたが、健康と病気に関する研究が行われました(下記PDF参照)。
2007年、小生が研究所を退職して大学に移動。翌年、コスモ石油(株)とSBIホールディングス(株)との合弁会社SBIアラプロモ(株)が設立されました。そして、田中氏と河田聡史氏が研究所の場所を探していた時、丁度小生が勤務する東京都市大学の総合研究所内に貸研究室が空いていたことから、ここにALA研究所を開設しました(大学では健康医科学研究室として開設)。そこで、筆者が2002年、国立公衆衛生院を退職した時に自宅の庭に建てた「健康科学研究所」の実験台、ALA測定専用カラム、紫外線照射器、実験器具、ポルフィリン代謝物分析の本、外部研究資金などをALA研究所に寄附し、夢を託しました(これを機に小生の研究所は閉鎖)。そして、田中氏の卓越した研究能力と精力的な企画・運営・指導、そして優秀な研究所スタッフの努力によって、ALAは健康食品、医薬品、化粧品、また、動物の飼料や植物の肥料などといったさまざまな分野で急速に注目されていきました。今では、脳腫瘍や膀胱がんなどがんの診断・治療、植物では光合成を促進すると共に収量・品質向上、健苗育成、ストレス耐性、耐塩性・耐冷性向上、都市および砂漠の緑化など、また、健常者に対しては免疫力増強、運動機能向上、疲労回復向上などとして保健・医療・環境など多様な分野で応用されるようになりました。
一方、2011年3月11日の東北の大震災以降、突然、世田谷の大学総合研究所内から神戸に移転しました。その後、SBIファーマ(株)が立ち上がり、研究所は神戸から川崎(ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)4F)に移り、組織も大分変わったようです。共に人生をかけた研究でした、頑張って欲しいと願っています。
なお、ALAは指定難病急性ポルフィリン症や鉛中毒の発症時に体内に過剰に蓄積するALAと同じものです。したがって、これらの患者さんの摂取は、事例はありませんが病気が悪化するかもしれません。また、発症に関わるかもしれません。服用は控えてください。
下記PDFにALA研究を回想し、成果の一部をPDFに纏めました。(近藤雅雄、2025年9月15日掲載)
PDF:ALA研究とその成果
研究回想2.ポルフィリン研究会の創設と学術雑誌の創刊
1980年、研究者としてスタートした「生化学若い研究者の会」の夏の学校にて、分科会「ヘムの生合成とその代謝調節」のオーガナイザーを行い、その内容を学術報告書として纏めました。その時に、将来ポルフィリンに関する研究会並びに学術専門雑誌を創ることを夢見ましたが、約10年後、夢が叶えられました。この内容については2025年5月21日掲載の「研究回想」と一部重複しますが、ここでは創設の「思い」、規約や組織、患者会との関わりなどを加筆しました。(下記PDF参照)
1.ポルフィリン研究会創設の思いと経緯
1970年代、衛生学領域では低濃度鉛曝露によって赤血球ポルフィリン代謝の2番目の酵素δ-アミノレブリン酸脱水酵素(ALAD)活性が鋭敏に減少することから、鉛の生体指標として注目されていました。そこで、順天堂大学医学部衛生学教室千葉百子先生、東京労災病院坂井公先生などと勉強会を発足しました。そして、1986年12月13日に鉛作業者の職業検診時における鉛の曝露指標として赤血球ALAD活性を候補の一つに取り上げ、測定法の検討やその意義について、デ-タの収集や意見交換を行う目的でALAD会が発足、その後、ALAD研究会となりました。
さらに、聖マリアンナ医科大学衛生学教室の工藤吉郎教授、千葉大学医学部衛生学教室平野英男助教授、大道正義講師、明治薬科大学梶原正宏教授等が加わり、ALADだけでなくヘム生合成経路およびその代謝全般に広がり、国立公衆衛生院の浦田郡平先生を代表世話人としてポルフィリン・ヘム研究会、ALAD-ポルフィリン研究会と名前が変わり、1988年7月16日に漸く「ポルフィリン研究会」として定着しました。そして、1991年12月に研究会が全国組織になるまで、順天堂大学、公衆衛生院、聖マリアンナ医科大学で合計14回、研究会を開催しました。研究会は毎回、報告書を刊行すると共に、梶原先生が赤血球プロトポルフィリン標準物質を作成し、順天堂大学、東京労災病院、聖マリアンナ医科大学、そして国立公衆衛生院との4施設共同研究によって鉛作業者の検診に重要な測定法の標準化を行い、発表しました(産業医学34(3):236-242,1992)。
これまでに、ポルフィリンに関連する研究者は医学、薬学、工学、理学、農学、環境学などを専門とする分野と多く、これら他分野の専門家が一つの土俵の上で議論する機会はありませんでした。医学に限っても、血液学、皮膚科学、肝臓学・消化器学、小児科学、神経学、衛生学、病理学、救急医学、臨床代謝学、臨床検査学、診断学など多分野でそれぞれ独自の研究が成されていました。そこで、これら専門分野の境界を取り除き、ポルフィリンという共通物質で議論することからいろいろな研究の連鎖・進展が得られると考え、規約を作成し、全国組織として参加を公表しました。その結果、全国から産官学の研究者が数百名結集し、1991年12月14日にわが国で初めてポルフィリンという化学物質を基に多分野の専門家からなる学術研究組織「ポルフィリン研究会」が創設されました。
その成果の一つとして、多分野の研究者に分担執筆をお願いし、研究会編集による成書、遺伝病・がん・工学応用などへの展開として「ポルフィリン・ヘムの生命科学」を(株)東京化学同人から出版しました(現代化学増刊27、1995年5月10発行) (下写真)。
2.ポルフィリン誌の創刊
研究会発行の学術雑誌「ポルフィリン, Porphyrins」第1号を1992年7月25日に創刊、これを季刊定期刊行物として2011年、第19巻「Porphyrins」まで発行されました。筆者が出版に関わったのは第14巻までで、第15巻からは東京工業大学大学院大倉研究室内に事務局が移動しました。また、2012年からは組織が変わり、「ALA-Porphyrin Science」として第1巻が刊行され、現在に至っています。(近藤雅雄、2025年6月8日掲載)
PDF:ポルフィリン研究会の創設

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1.ポルフィリン研究会創設の思いと経緯
1970年代、衛生学領域では低濃度鉛曝露によって赤血球ポルフィリン代謝の2番目の酵素δ-アミノレブリン酸脱水酵素(ALAD)活性が鋭敏に減少することから、鉛の生体指標として注目されていました。そこで、順天堂大学医学部衛生学教室千葉百子先生、東京労災病院坂井公先生などと勉強会を発足しました。そして、1986年12月13日に鉛作業者の職業検診時における鉛の曝露指標として赤血球ALAD活性を候補の一つに取り上げ、測定法の検討やその意義について、デ-タの収集や意見交換を行う目的でALAD会が発足、その後、ALAD研究会となりました。
さらに、聖マリアンナ医科大学衛生学教室の工藤吉郎教授、千葉大学医学部衛生学教室平野英男助教授、大道正義講師、明治薬科大学梶原正宏教授等が加わり、ALADだけでなくヘム生合成経路およびその代謝全般に広がり、国立公衆衛生院の浦田郡平先生を代表世話人としてポルフィリン・ヘム研究会、ALAD-ポルフィリン研究会と名前が変わり、1988年7月16日に漸く「ポルフィリン研究会」として定着しました。そして、1991年12月に研究会が全国組織になるまで、順天堂大学、公衆衛生院、聖マリアンナ医科大学で合計14回、研究会を開催しました。研究会は毎回、報告書を刊行すると共に、梶原先生が赤血球プロトポルフィリン標準物質を作成し、順天堂大学、東京労災病院、聖マリアンナ医科大学、そして国立公衆衛生院との4施設共同研究によって鉛作業者の検診に重要な測定法の標準化を行い、発表しました(産業医学34(3):236-242,1992)。
これまでに、ポルフィリンに関連する研究者は医学、薬学、工学、理学、農学、環境学などを専門とする分野と多く、これら他分野の専門家が一つの土俵の上で議論する機会はありませんでした。医学に限っても、血液学、皮膚科学、肝臓学・消化器学、小児科学、神経学、衛生学、病理学、救急医学、臨床代謝学、臨床検査学、診断学など多分野でそれぞれ独自の研究が成されていました。そこで、これら専門分野の境界を取り除き、ポルフィリンという共通物質で議論することからいろいろな研究の連鎖・進展が得られると考え、規約を作成し、全国組織として参加を公表しました。その結果、全国から産官学の研究者が数百名結集し、1991年12月14日にわが国で初めてポルフィリンという化学物質を基に多分野の専門家からなる学術研究組織「ポルフィリン研究会」が創設されました。
その成果の一つとして、多分野の研究者に分担執筆をお願いし、研究会編集による成書、遺伝病・がん・工学応用などへの展開として「ポルフィリン・ヘムの生命科学」を(株)東京化学同人から出版しました(現代化学増刊27、1995年5月10発行) (下写真)。
2.ポルフィリン誌の創刊
研究会発行の学術雑誌「ポルフィリン, Porphyrins」第1号を1992年7月25日に創刊、これを季刊定期刊行物として2011年、第19巻「Porphyrins」まで発行されました。筆者が出版に関わったのは第14巻までで、第15巻からは東京工業大学大学院大倉研究室内に事務局が移動しました。また、2012年からは組織が変わり、「ALA-Porphyrin Science」として第1巻が刊行され、現在に至っています。(近藤雅雄、2025年6月8日掲載)
PDF:ポルフィリン研究会の創設

研究回想1.私の人生を懸けたポルフィリン症研究への思い
概 要
人生にて、興味を持ち続けた研究テーマは、①生物の根源物質ポルフィリン・ヘムの生合成調節機序に関する研究、②ライフステージにおける栄養素の研究、③環境因子の生体影響およびその指標作成に関する研究、④再生医学に関する研究、そして⑤自然・地球環境に関する研究の5テーマでした。すなわち、人間が生きて行く上で不可欠な「保健」,「医療」,「環境」に関する研究を常に注目してきました。
このうち、①のポルフィリン代謝(ヘム生合成)の調節機序に関する研究を始めたのは学生時代の21歳、1970年です。当時、ポルフィリンの医学およびポルフィリン症研究は散発的な症例報告はあるものの、臨床統計や疫学データがなく、診断のための検査法、診断基準、発症機序、治療法も未確立でした。しかも希少疾患ということで、医療従事者の間でもほとんど知られていない病気でした。
1980年代、ポルフィリン症の発症および再発の防止、患者のQOL向上と健康寿命の延伸を期して、患者の会「全国ポルフィリン代謝異常症患者の会(さくら友の会)」や学術研究組織「ポルフィリン研究会」を創設しました。研究会では、ポルフィリンに関する研究成果を学術研究論文誌「ポルフィリン,Porphyrins」(国会図書館寄贈)を季刊定期発行雑誌として刊行しました。
そして、本格的に診断法の開発、発症機序解明などの一連の研究活動を行い、1990年代から2000年までには各病型の発症機序、鑑別確定診断法、診断基準、臨床統計などの研究をほぼ完成させました。
そして、2013年には患者会協力のもと、急性ポルフィリン症治療薬の未承認薬「ヘミン製剤」の認可を得、保険適用となり、急性ポルフィリン症の治療の道が広がりました。さらに、2015年、指定難病制度が法律として新たに立ち上がると同時に、ポルフィリン症が指定難病として承認されました。厚生労働省元職員として嬉しく思うと同時にポルフィリン症に対する思いを叶えました。
ここでは、「ポルフィリン症研究への思い」として以下のPDFにまとめました。(近藤雅雄、2025年5月20日掲載)
PDF:ポルフィリン症研究への思い
人生にて、興味を持ち続けた研究テーマは、①生物の根源物質ポルフィリン・ヘムの生合成調節機序に関する研究、②ライフステージにおける栄養素の研究、③環境因子の生体影響およびその指標作成に関する研究、④再生医学に関する研究、そして⑤自然・地球環境に関する研究の5テーマでした。すなわち、人間が生きて行く上で不可欠な「保健」,「医療」,「環境」に関する研究を常に注目してきました。
このうち、①のポルフィリン代謝(ヘム生合成)の調節機序に関する研究を始めたのは学生時代の21歳、1970年です。当時、ポルフィリンの医学およびポルフィリン症研究は散発的な症例報告はあるものの、臨床統計や疫学データがなく、診断のための検査法、診断基準、発症機序、治療法も未確立でした。しかも希少疾患ということで、医療従事者の間でもほとんど知られていない病気でした。
1980年代、ポルフィリン症の発症および再発の防止、患者のQOL向上と健康寿命の延伸を期して、患者の会「全国ポルフィリン代謝異常症患者の会(さくら友の会)」や学術研究組織「ポルフィリン研究会」を創設しました。研究会では、ポルフィリンに関する研究成果を学術研究論文誌「ポルフィリン,Porphyrins」(国会図書館寄贈)を季刊定期発行雑誌として刊行しました。
そして、本格的に診断法の開発、発症機序解明などの一連の研究活動を行い、1990年代から2000年までには各病型の発症機序、鑑別確定診断法、診断基準、臨床統計などの研究をほぼ完成させました。
そして、2013年には患者会協力のもと、急性ポルフィリン症治療薬の未承認薬「ヘミン製剤」の認可を得、保険適用となり、急性ポルフィリン症の治療の道が広がりました。さらに、2015年、指定難病制度が法律として新たに立ち上がると同時に、ポルフィリン症が指定難病として承認されました。厚生労働省元職員として嬉しく思うと同時にポルフィリン症に対する思いを叶えました。
ここでは、「ポルフィリン症研究への思い」として以下のPDFにまとめました。(近藤雅雄、2025年5月20日掲載)
PDF:ポルフィリン症研究への思い
急性ポルフィリン症の精神症状に対する昔の治療法と今
指定難病ポルフィリン症の中で、急性ポルフィリン症は腹痛・嘔吐などの消化器症状で急性発症し、四肢のしびれ・脱力などの末梢神経障害を伴う遺伝性の疾患です。腹痛はほとんど必発で激しいわりに圧痛・デファンスなど他覚的所見に乏しく、イレウスやヒステリーと誤診されることが多いことが報告されています。神経症状は、末梢神経障害がほぼ必発で四肢のしびれ・脱力などからギランバレー症候群などと、また、意識障害・痙攣などの中枢神経症状や不穏・うつ症・せん妄・幻覚など精神症状を来すことから統合失調症と、それぞれ誤診されることが多いことが報告され、その誤診率は平均67%です。私が研究を始めた1970年頃は発症後の致死率は90%以上で、何人かの患者さんは、親は「気がふれて死んだ」と言っていました。国内患者数の70%以上の患者さんを診てきた私はこの「気がふれて」が気になって本症の病因解明、早期診断法、治療法の開発などの研究を行なってきましたが、2000年以降の致死率は0となりました。
一方、統合失調症や双極性障害、急性ポルフィリン症などの精神症状に対する治療法は、1950年代に精神神経安定剤クロルプロマジンが発見されてから大きく変わりました。それ以前は、瀉血療法、水責め療法と旋回椅子療法、発熱療法、インスリン・ショック療法、カルジアゾール痙攣療法から電気痙攣療法など現代では信じられない非科学的で驚くべき身体的療法などが行われていたようです。しかし、この中で、瀉血療法は肝臓に鉄が沈着・蓄積する晩発性皮膚ポルフィリン症などでは鉄除去を目的とした治療として現代でも用いられています。
瀉血療法
瀉血とは患者さんの静脈を切開して血液を抜く「血抜き」で、18世紀以前に行われていた療法です。血液量が減少すれば血圧は下がり、めまい・ふらつき・意識レベル低下などが起こり、大人しくなるのは当然です。似たような療法で大量の下剤や嘔吐剤を飲ませることも行われていました。これは下痢・嘔吐による脱水のため電解質バランスが崩れ、見かけ上大人しくなっただけです。これらの療法は現在行われていません。しかし、瀉血療法はヘモクロマトーシス、慢性C型肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎や晩発性皮膚ポルフィリン症(肝組織には鉄沈着、脂肪変化、壊死、慢性の炎症性変化および繊維化が見られ、肝硬変および肝細胞癌を起こすことがある)などの鉄過剰症における鉄除去を目的とした有効で安価な方法として適用されています。
過去に精神科で行われていた驚くべきさまざまな治療法が知られていますが、精神疾患はそれほど謎の多い病気であったことを伺い知ることができます。それが、1952年にクロルプロマジンが開発されてから現在に至るまでに新しい向精神薬、抗うつ薬、抗不安薬が次々と開発され、精神疾患の治療法が大きく変わりました。そして、精神医学は精神薬理学、精神病理学、神経病理学、神経化学、遺伝子学、再生医学など、脳科学の著しい発展により新たな領域へと展開しています。なお、クロルプロマジンは急性ポルフィリン症の疼痛、有痛性のしびれ、不眠などに対する治療薬として広く用いられてきましたが、現在は禁忌薬として分類されています。(近藤雅雄、2025年5月16日掲載)
文 献
1.越智和彦 (1959) 精神分裂病の身体療法と予後について、脳と神経11(9):749-763.
2.天野直二(2015)精神医学における創造性について~歴史を踏まえて~、信州医誌63(1):3-7.
3.近藤雅雄(1995)日本臨牀 特集 ポルフィリン症、日本臨牀社.
4.Solomon H Snyder (1990) 脳と薬物、東京化学同人.
一方、統合失調症や双極性障害、急性ポルフィリン症などの精神症状に対する治療法は、1950年代に精神神経安定剤クロルプロマジンが発見されてから大きく変わりました。それ以前は、瀉血療法、水責め療法と旋回椅子療法、発熱療法、インスリン・ショック療法、カルジアゾール痙攣療法から電気痙攣療法など現代では信じられない非科学的で驚くべき身体的療法などが行われていたようです。しかし、この中で、瀉血療法は肝臓に鉄が沈着・蓄積する晩発性皮膚ポルフィリン症などでは鉄除去を目的とした治療として現代でも用いられています。
瀉血療法
瀉血とは患者さんの静脈を切開して血液を抜く「血抜き」で、18世紀以前に行われていた療法です。血液量が減少すれば血圧は下がり、めまい・ふらつき・意識レベル低下などが起こり、大人しくなるのは当然です。似たような療法で大量の下剤や嘔吐剤を飲ませることも行われていました。これは下痢・嘔吐による脱水のため電解質バランスが崩れ、見かけ上大人しくなっただけです。これらの療法は現在行われていません。しかし、瀉血療法はヘモクロマトーシス、慢性C型肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎や晩発性皮膚ポルフィリン症(肝組織には鉄沈着、脂肪変化、壊死、慢性の炎症性変化および繊維化が見られ、肝硬変および肝細胞癌を起こすことがある)などの鉄過剰症における鉄除去を目的とした有効で安価な方法として適用されています。
過去に精神科で行われていた驚くべきさまざまな治療法が知られていますが、精神疾患はそれほど謎の多い病気であったことを伺い知ることができます。それが、1952年にクロルプロマジンが開発されてから現在に至るまでに新しい向精神薬、抗うつ薬、抗不安薬が次々と開発され、精神疾患の治療法が大きく変わりました。そして、精神医学は精神薬理学、精神病理学、神経病理学、神経化学、遺伝子学、再生医学など、脳科学の著しい発展により新たな領域へと展開しています。なお、クロルプロマジンは急性ポルフィリン症の疼痛、有痛性のしびれ、不眠などに対する治療薬として広く用いられてきましたが、現在は禁忌薬として分類されています。(近藤雅雄、2025年5月16日掲載)
文 献
1.越智和彦 (1959) 精神分裂病の身体療法と予後について、脳と神経11(9):749-763.
2.天野直二(2015)精神医学における創造性について~歴史を踏まえて~、信州医誌63(1):3-7.
3.近藤雅雄(1995)日本臨牀 特集 ポルフィリン症、日本臨牀社.
4.Solomon H Snyder (1990) 脳と薬物、東京化学同人.
鉄芽球性貧血の新たなポルフィリン代謝異常の発見と病態解析
鉄芽球性貧血は,血清鉄,フェリチンおよびトランスフェリン飽和度の高値と環状鉄芽球(核周囲に鉄で満たされたミトコンドリアを伴う赤芽球)の存在を特徴とする多様な一群の貧血疾患です。遺伝性鉄芽球性貧血と後天性鉄芽球性貧血に大別されます。最も頻度の高い遺伝性鉄芽球性貧血はX連鎖性鉄芽球性貧血(XLSA)で、現在までに100種類程度のδ-アミノレブリン酸合成酵素(ALAS2)の変異が確認され指定難病(286)に認定されています。鉄-硫黄クラスター形成不全などによりミトコンドリアでの鉄代謝に異常が生じ、ALAS2活性の著明な低下によるヘム合成不全を起こします。
われわれは鉄芽球性貧血患者46例のポルフィリン代謝について検討しました。その結果、ALAS2活性の低値に対してポルホビリノゲン脱アミノ酵素(PBGD)活性の高値等の酵素異常とポルフィリン代謝物の異常、とくにプロトポルフィリンの増量を世界に先駆けて見出しました。さらに、遊離赤血球プロトポルフィリン(FEP)量が1mg/dl RBC以上を示した4例の患者には指定難病ポルフィリン症(254)の一病型である赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)と同様の皮膚の光線過敏症を合併していることを見出しました。
そこで、ALAS2活性の低下にも関わらず、FEPが増量することに注目し、FEP値の変化と他のポルフィリン代謝関連因子、肝機能、血液検査データとの相関関係を追及しました。その結果、FEPとALAS2活性およびフェロキラターゼ活性には有意な相関(p<0.05)が認められました。また、ALAS2活性とアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)(p<0.01)およびASTとフェリチン、血清鉄(p<0.05)に有意な相関を認めました。さらに、因子分析の結果、FFPの変化が、尿中δ-アミノレブリン酸(ALA)、ウロポルフィリン、コプロポルフィリン(CP)Ⅰ、CPⅢ、ALAS2活性、網状赤血球数、フェリチン、AST、ALT、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)の変化と関連性のあることが明らかとなりました。とくにFEPの変化はフェリチンとMCHの関連性が大きいことが示唆されました。さらに、ASTやALTにも関連性も見出されたので、ALAS2活性の異常は赤芽球内鉄代謝、肝機能および肝内ポルフィリン代謝との関連性が示唆されました。
さらに、最近ALAS2活性およびFEP量の両者が異常高値を示し、EPPと同様の皮膚光線過敏を診る新しい型の遺伝性ポルフィリン症、X連鎖優性プロトポルフィリン症(XLPP)が見出されましたが、ALAS2活性の上昇並びに本研究にて示したALAS2活性の減少の両者においてFEPの増量を見ることは興味深く、各種赤血球造血性疾患の病態機序を追及する上で重要な知見と思われます。(論文:近藤雅雄、網中雅仁:ALA-Porphyrin Science 2(1,2)19-26.2013から引用しました)(近藤雅雄、2025年5月11日掲載)
PDF:鉄芽球性貧血とポルフィリン代謝
われわれは鉄芽球性貧血患者46例のポルフィリン代謝について検討しました。その結果、ALAS2活性の低値に対してポルホビリノゲン脱アミノ酵素(PBGD)活性の高値等の酵素異常とポルフィリン代謝物の異常、とくにプロトポルフィリンの増量を世界に先駆けて見出しました。さらに、遊離赤血球プロトポルフィリン(FEP)量が1mg/dl RBC以上を示した4例の患者には指定難病ポルフィリン症(254)の一病型である赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)と同様の皮膚の光線過敏症を合併していることを見出しました。
そこで、ALAS2活性の低下にも関わらず、FEPが増量することに注目し、FEP値の変化と他のポルフィリン代謝関連因子、肝機能、血液検査データとの相関関係を追及しました。その結果、FEPとALAS2活性およびフェロキラターゼ活性には有意な相関(p<0.05)が認められました。また、ALAS2活性とアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)(p<0.01)およびASTとフェリチン、血清鉄(p<0.05)に有意な相関を認めました。さらに、因子分析の結果、FFPの変化が、尿中δ-アミノレブリン酸(ALA)、ウロポルフィリン、コプロポルフィリン(CP)Ⅰ、CPⅢ、ALAS2活性、網状赤血球数、フェリチン、AST、ALT、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)の変化と関連性のあることが明らかとなりました。とくにFEPの変化はフェリチンとMCHの関連性が大きいことが示唆されました。さらに、ASTやALTにも関連性も見出されたので、ALAS2活性の異常は赤芽球内鉄代謝、肝機能および肝内ポルフィリン代謝との関連性が示唆されました。
さらに、最近ALAS2活性およびFEP量の両者が異常高値を示し、EPPと同様の皮膚光線過敏を診る新しい型の遺伝性ポルフィリン症、X連鎖優性プロトポルフィリン症(XLPP)が見出されましたが、ALAS2活性の上昇並びに本研究にて示したALAS2活性の減少の両者においてFEPの増量を見ることは興味深く、各種赤血球造血性疾患の病態機序を追及する上で重要な知見と思われます。(論文:近藤雅雄、網中雅仁:ALA-Porphyrin Science 2(1,2)19-26.2013から引用しました)(近藤雅雄、2025年5月11日掲載)
PDF:鉄芽球性貧血とポルフィリン代謝
先端素材関連物質のポルフィリン代謝系への影響と評価
先端技術産業の進展は著しく、これら先端技術を支える素材には数多くの物質が検討され、過去にほとんど用いられてこなかった新しい物質が広く利用されるようになりました。とくに、ホウ素族元素化合物はガリウム・ヒ素(GaAs)およびインジウム・ヒ素(InAs)などとして半導体や超伝導物質などとして広く有用されています。さらに希土類元素においてもその特異的な物理化学的特性からその単体および化合物はスマホはじめ先端技術産業における合金、エレクトロニクス、セラミックス、触媒、原子炉材料のほか、磁性や誘導性を利用した超電導物質の素材として、また、医用材料として各種先端機器や人工歯根材料に、さらに、農業用肥料としても広く利用されています。
これら元素のうち、ヒ素の毒性については古くて新しい問題であるが、いまだに健康障害の機序がはっきりしていないし、その生体影響評価指標も確立されていません。また、先端産業において開発・利用される上記元素化合物については、生物・生体影響が殆どわかっていないものが多い。先端産業によって生産される各種製品はヒトが生活習慣的に接触を受け、最終的には生活環境中へ放出されることから、新たな環境問題も引き起こしかねないという危惧が残ります
そこで、これらの各種元素や化合物がポルフィリン代謝酵素に及ぼす影響並びに各元素間の生体内相互作用についてin vivo、in vitroの実験を行いました。その結果、この代謝系が鋭敏に影響を受けることを確認し、生体影響指標となることを確認しました。また、ポルフィリン代謝系の感度は良く、低濃度の生体影響指標として有用と思われました。(近藤雅雄、2025年5月10日掲載)
PDF:先端素材とポルフィリン代謝
これら元素のうち、ヒ素の毒性については古くて新しい問題であるが、いまだに健康障害の機序がはっきりしていないし、その生体影響評価指標も確立されていません。また、先端産業において開発・利用される上記元素化合物については、生物・生体影響が殆どわかっていないものが多い。先端産業によって生産される各種製品はヒトが生活習慣的に接触を受け、最終的には生活環境中へ放出されることから、新たな環境問題も引き起こしかねないという危惧が残ります
そこで、これらの各種元素や化合物がポルフィリン代謝酵素に及ぼす影響並びに各元素間の生体内相互作用についてin vivo、in vitroの実験を行いました。その結果、この代謝系が鋭敏に影響を受けることを確認し、生体影響指標となることを確認しました。また、ポルフィリン代謝系の感度は良く、低濃度の生体影響指標として有用と思われました。(近藤雅雄、2025年5月10日掲載)
PDF:先端素材とポルフィリン代謝
本邦36例目の先天性赤芽球性ポルフィリン症の症例報告
尿中ポルフィリン分析によって確定診断されたCEP
指定難病、ポルフィリン症は急性ポルフィリン症と皮膚ポルフィリン症に分類されます。先天性赤芽球性ポルフィリン症(CEP)は1911年にGüntherによって報告されて以来、世界で約200 例しか報告されていない極めて稀な疾患です。遺伝形式は常染色体劣性遺伝であり、9病型から成るポルフィリン症の中で最も激烈な皮膚光線過敏症を呈する難治性疾患です。本邦では1920年にはじめて東北で報告されて以来、2010年までに35例しか報告されていません。
CEPはウロポルフィリノゲンⅢ合成酵素遺伝子の異常によって、本酵素の活性が正常の2~20%に減少しているため、生体内では利用されないⅠ型ポルフィリンの過剰生産・蓄積・排泄が起こり、その結果、皮膚症状をはじめとする多彩な症状が出現します。われわれは、高速液体クロマトグラフィーを用いたポルフィン異性体分析法を新規開発し、元慈恵医科大学皮膚科、上出良一教授(現在、ひふのクリニック人形町院長)より皮膚ポルフィリン症が疑われた患者の検査依頼があり、尿中ポルフィリン解析によって、36例目の新たなCEP患者を見出しました。詳細は以下のPDFを参照して下さい。
追記:現在、日本国内の臨床検査会社ではポルフィリンの異性体分析が行われていません。したがって、これら疾患の診断が困難な状況が長年続いています。例えば、Dubin-Johnson症候群では測定5分以内で尿中のコプロポルフィリンの1型とⅢ型異性体の比率が正常と逆転する(文献:近藤雅雄ほか、医学のあゆみ、144(7)631-632,1988)ことから、確定診断が可能ですが、筆者が厚生労働省を退職した2007年以降測定の報告はありません。診断に重要な検査であり、早急な整備が望まれます。(近藤雅雄、2025年5月8日掲載)
PDF:先天性赤芽球性ポルフィリン症症例
指定難病、ポルフィリン症は急性ポルフィリン症と皮膚ポルフィリン症に分類されます。先天性赤芽球性ポルフィリン症(CEP)は1911年にGüntherによって報告されて以来、世界で約200 例しか報告されていない極めて稀な疾患です。遺伝形式は常染色体劣性遺伝であり、9病型から成るポルフィリン症の中で最も激烈な皮膚光線過敏症を呈する難治性疾患です。本邦では1920年にはじめて東北で報告されて以来、2010年までに35例しか報告されていません。
CEPはウロポルフィリノゲンⅢ合成酵素遺伝子の異常によって、本酵素の活性が正常の2~20%に減少しているため、生体内では利用されないⅠ型ポルフィリンの過剰生産・蓄積・排泄が起こり、その結果、皮膚症状をはじめとする多彩な症状が出現します。われわれは、高速液体クロマトグラフィーを用いたポルフィン異性体分析法を新規開発し、元慈恵医科大学皮膚科、上出良一教授(現在、ひふのクリニック人形町院長)より皮膚ポルフィリン症が疑われた患者の検査依頼があり、尿中ポルフィリン解析によって、36例目の新たなCEP患者を見出しました。詳細は以下のPDFを参照して下さい。
追記:現在、日本国内の臨床検査会社ではポルフィリンの異性体分析が行われていません。したがって、これら疾患の診断が困難な状況が長年続いています。例えば、Dubin-Johnson症候群では測定5分以内で尿中のコプロポルフィリンの1型とⅢ型異性体の比率が正常と逆転する(文献:近藤雅雄ほか、医学のあゆみ、144(7)631-632,1988)ことから、確定診断が可能ですが、筆者が厚生労働省を退職した2007年以降測定の報告はありません。診断に重要な検査であり、早急な整備が望まれます。(近藤雅雄、2025年5月8日掲載)
PDF:先天性赤芽球性ポルフィリン症症例
ポルフィリン代謝を攪乱する多くの無機、有機化学物質
自然界にはV、Ni、Mg、Cu、Zn、Fe、Coなどと結合した金属ポルフィリンが知られています。V、Niポルフィリンはシアノバクテリアから生産されたと推測されている原油中に多く含まれています。
Mgポルフィリンは植物のクロロフィルとして、CoはビタミンB12として、また、Zn、Feはプロトポルフィリンと配位して生体内に存在します。Cuとポルフィリンとの結合も親和性が高く、このような無機元素との関りが深い。
一方で、Pb、Cr、Cd、Sn、As、Hg、Al、Tlなどが体内に侵入すると、それぞれ機序は異なりますが、ポルフィリン代謝系酵素のほとんどがSH酵素であり、その働きを阻害してポルフィリンの代謝異常を引き起こします。したがって、ポルフィリン代謝関連物質の測定は先端産業および工業用に汎用される各種元素の環境および動植物への影響・評価の指標として有用です。
これまでに、Pb、Cr、Cd、Sn、Mn、As、Hg、Al、Tl、Cu、Fe、Ga、In、Sm、Laやフリルフラマイド(AF2)、ダイオキシン、ヘキサクロロベンゼン(HCB)、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、セドルミド、カルバマゼピン、フェンスクシミド、DDC、グリセオフルビン(GF)、フェノバルビタール、アリル基含有化合物、放射線、X線、アルコール、トリクロロエチレン、などのポルフィリン代謝系への影響がin vivo、in vitroで明らかになっています。(近藤雅雄、2025年5月6日掲載、2025年9月8日更新)
PDF:元素とポルフィリン代謝
Mgポルフィリンは植物のクロロフィルとして、CoはビタミンB12として、また、Zn、Feはプロトポルフィリンと配位して生体内に存在します。Cuとポルフィリンとの結合も親和性が高く、このような無機元素との関りが深い。
一方で、Pb、Cr、Cd、Sn、As、Hg、Al、Tlなどが体内に侵入すると、それぞれ機序は異なりますが、ポルフィリン代謝系酵素のほとんどがSH酵素であり、その働きを阻害してポルフィリンの代謝異常を引き起こします。したがって、ポルフィリン代謝関連物質の測定は先端産業および工業用に汎用される各種元素の環境および動植物への影響・評価の指標として有用です。
これまでに、Pb、Cr、Cd、Sn、Mn、As、Hg、Al、Tl、Cu、Fe、Ga、In、Sm、Laやフリルフラマイド(AF2)、ダイオキシン、ヘキサクロロベンゼン(HCB)、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、セドルミド、カルバマゼピン、フェンスクシミド、DDC、グリセオフルビン(GF)、フェノバルビタール、アリル基含有化合物、放射線、X線、アルコール、トリクロロエチレン、などのポルフィリン代謝系への影響がin vivo、in vitroで明らかになっています。(近藤雅雄、2025年5月6日掲載、2025年9月8日更新)
PDF:元素とポルフィリン代謝
急性ポルフィリン症とジョージⅢ世:Royal Malady(国王の病気)
1968年、Macalpineらは英国のジョージⅢ世(写真1738-1820)の病因追及および血縁調査を行い、近世ヨ-ロッパのスチュワ-ト、ハノ-バ、およびプロシアの三大王家の共通の病状を確認し、国王の病気(Royal Malady)と呼んだ。その病状は激しい腹痛に始まり、便秘、嘔吐、四肢の疼痛と脱力が起こり、さらに頻脈、発汗障害、しわがれ声、視力障害、嚥下障害、不眠症、高い興奮性、めまい、頭痛、振戦、昏迷、そして痙攣が引き続いて起こるという一連の腹部、神経、循環器症状および皮膚光線過敏症など多彩な症状がみられたという。また、これらの症状が不定期に憎悪と寛解を繰り返していたということ、さらに赤色尿の記述から、現在医学の知識に照らしてみると彼らの病気はプロトポルフィリノゲン・オキシダ-ゼ(PPO)の異常症である多様性ポルフィリン症(VP)と推測されます。米国市民革命の原因となった茶税賦課の決定はジョージⅢ世のポルフィリン症の発作中であったと推定されています。欧州では国王・貴族の病気を風刺した演劇が多数知られています。
日本で1997年11月22日(土)に公開された1994年制作の英国の映画、『英国万歳!』(The Madness of King George)を新宿の映画館で見ました。約2時間でしたが、医学的に大変勉強になりました。内容は、18世紀に起きた実話を基に、国王の“ご乱心“をめぐる悲喜こもごもを活写した痛快な作品。錯乱と奇行を繰り返す王様、慌てる側近、王位を狙う皇太子らの騒動が描かれていく。ポルフィリン症は、日本では2015年に指定難病となりました。(近藤雅雄、2025年5月5日掲載)
PDF:国王の病気
日本で1997年11月22日(土)に公開された1994年制作の英国の映画、『英国万歳!』(The Madness of King George)を新宿の映画館で見ました。約2時間でしたが、医学的に大変勉強になりました。内容は、18世紀に起きた実話を基に、国王の“ご乱心“をめぐる悲喜こもごもを活写した痛快な作品。錯乱と奇行を繰り返す王様、慌てる側近、王位を狙う皇太子らの騒動が描かれていく。ポルフィリン症は、日本では2015年に指定難病となりました。(近藤雅雄、2025年5月5日掲載)
PDF:国王の病気
赤芽球性プロトポルフィリン(PP)症とX連鎖優性PP症との鑑別
赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)とX連鎖優性プロトポルフィリン症(XLPP)は共に骨髄赤芽球細胞内におけるポルフィリン・ヘムの合成障害として、指定難病ポルフィリン症に認定されています。
両者は共に血液中のプロトポルフィリン(PP)の増加が起こり、臨床像もほぼ同じです。いずれも乳幼児期に発症し、日光に曝露すると掻痒感または灼熱感伴う皮膚疼痛を呈する。晩年には胆石が良く見られる。疼痛を伴う光線過敏症を有し水疱形成や瘢痕化を認めない小児および成人ではEPPおよびXLPPを疑う。小児に胆石がみられる場合は,EPPおよびXLPPの鑑別を目的とした検査を行う。
両者の鑑別はヘム合成の最初の赤芽球δ-アミノレブリン酸合成酵素(ALAS2)の遺伝子異常があるかどうかによって決まります。そして、酵素活性および生化学診断を行うことによって病態把握が可能です。
1.赤血球中および血漿中のPP測定
赤血球中および血漿中のPP値の上昇が認められれば診断が確定する。また赤血球PPのFP(赤血球遊離プロトポルフィリン)およびZP(亜鉛結合プロトポルフィリン)分画測定を行います。EPPではFPの比率は85%を超えますが、15%超のZPが存在すればXLPPです。
2.酵素活性の測定
骨髄細胞または白血球細胞のミトコンドリア内のヘム合成系酵素活性を測定します。EPPはフェロキラターゼ活性の低下、XLPPはALAS2活性の上昇を確認します。
3.FECHまたはALAS2の遺伝子変異に関する遺伝子検査
赤血球中PPの増加が認められ,また発端者で変異が同定されている場合には遺伝子検査を行い,近親者の潜在的キャリアを同定して早期診断を行います。
(近藤雅雄、2025年5月4日掲載、2025年9月8日更新)
両者は共に血液中のプロトポルフィリン(PP)の増加が起こり、臨床像もほぼ同じです。いずれも乳幼児期に発症し、日光に曝露すると掻痒感または灼熱感伴う皮膚疼痛を呈する。晩年には胆石が良く見られる。疼痛を伴う光線過敏症を有し水疱形成や瘢痕化を認めない小児および成人ではEPPおよびXLPPを疑う。小児に胆石がみられる場合は,EPPおよびXLPPの鑑別を目的とした検査を行う。
両者の鑑別はヘム合成の最初の赤芽球δ-アミノレブリン酸合成酵素(ALAS2)の遺伝子異常があるかどうかによって決まります。そして、酵素活性および生化学診断を行うことによって病態把握が可能です。
1.赤血球中および血漿中のPP測定
赤血球中および血漿中のPP値の上昇が認められれば診断が確定する。また赤血球PPのFP(赤血球遊離プロトポルフィリン)およびZP(亜鉛結合プロトポルフィリン)分画測定を行います。EPPではFPの比率は85%を超えますが、15%超のZPが存在すればXLPPです。
2.酵素活性の測定
骨髄細胞または白血球細胞のミトコンドリア内のヘム合成系酵素活性を測定します。EPPはフェロキラターゼ活性の低下、XLPPはALAS2活性の上昇を確認します。
3.FECHまたはALAS2の遺伝子変異に関する遺伝子検査
赤血球中PPの増加が認められ,また発端者で変異が同定されている場合には遺伝子検査を行い,近親者の潜在的キャリアを同定して早期診断を行います。
(近藤雅雄、2025年5月4日掲載、2025年9月8日更新)
ネズミの目から赤いプロトポルフィリンが涙液中に出現
ハーダー腺は、主に哺乳類、爬虫類、鳥類などの動物に見られる眼窩内に存在する腺で、眼窩の筋肉や涙腺と隣接し、涙や保護物質を分泌する腺です。涙液の油層成分を分泌する役割があり、特に水棲動物では眼球を保護する働きがあります。人間ではマイボーム腺がこの役割を担いますが、ウサギなど一部の動物ではハーダー腺が主要な油層分泌腺として機能します。
ハ-ダ-腺は特にげっ歯類に良く発達し、光受容、内分泌、免疫など、さまざまな機能が想定されています。特にラットで発達、不規則な形をし、「紅涙」として目やにや涙として現れることがあります。なぜ目から赤い色素を分泌するのかについてはわかっていませんでした。
最近になって、英国の研究グル-プがヘムを合成する酵素活性が他の組織臓器に比べて極めて低いために、基質であるプロトポルフィリンが大量に蓄積し、涙液中に出現することがわかりました。これらのことは、ハ-ダ-腺のポルフィリン・ヘム合成の調節が他の組織と異なっていることを示唆し、その起源および分子進化などの点で非常に興味が持たれています。(近藤雅雄、2025年5月4日掲載)
ハ-ダ-腺は特にげっ歯類に良く発達し、光受容、内分泌、免疫など、さまざまな機能が想定されています。特にラットで発達、不規則な形をし、「紅涙」として目やにや涙として現れることがあります。なぜ目から赤い色素を分泌するのかについてはわかっていませんでした。
最近になって、英国の研究グル-プがヘムを合成する酵素活性が他の組織臓器に比べて極めて低いために、基質であるプロトポルフィリンが大量に蓄積し、涙液中に出現することがわかりました。これらのことは、ハ-ダ-腺のポルフィリン・ヘム合成の調節が他の組織と異なっていることを示唆し、その起源および分子進化などの点で非常に興味が持たれています。(近藤雅雄、2025年5月4日掲載)
卵は新鮮な程,紫外線照射により美麗な赤色蛍光を発する
卵を割らずに鮮度を評価する方法としては、以下のような方法が知られています。
1.水の中に入れると、新鮮な卵は水に沈んで横向きに倒れる。しかし、古くなった卵は、水に浮いたり、底で垂直に立ったりする。
2.10%の濃い食塩水に卵を沈めると、新鮮な卵はすぐに沈む。しかし、古い卵は、水に浮いてくるか、時間が経ってから沈む。
3.光に透かすと、新鮮な卵は、卵黄が小さく、白身が濃厚で白く濁っているように見える。鮮度が落ちた卵は、卵黄が大きく、白身が薄くて透明感がある。
などが知られていますが、卵の殻にポルフィリンが付着していることは意外と知られていません。
卵の殻に紫外線を照射するだけで卵の鮮度が分かる
卵の殻には、消費者の購買意欲をそそるような色付き卵(褐色、ピンク色、青色など)が市販され、私たちの目を楽しませてくれます。これら色付き卵や白い卵の殻に暗室で紫外線(400nm付近の遠紫外線)を照射するととても美麗な赤色蛍光を発する(下の写真参照)。この蛍光は色付きに限らずすべての卵類は新鮮な程強く、逆に古いほど弱いことがわかりました。つまり、赤い蛍光物質はプロトポルフィリンと言ってヘム生合成の中間体です。
鶏などの鳥類では、血漿中のプロトポルフィリンが卵管を介して卵殻(カルシウムと結合)に移動(排泄)するのではないかと推測されます。
ポルフィリンは巨大なπ電子を持っていて、長い間太陽や蛍光灯などに曝されたり、空気で酸化されるとエネルギーを放出し、壊れていきます。したがって、鮮度が良いほど、紫外線を照射により赤色蛍光を発する。逆に古い卵は、赤色蛍光が弱い。
白い卵の白色レグホンや赤玉鶏、名古屋コーチン(名古屋種)、烏骨鶏、アロウカナ、ウズラなどの卵類を調べましたが、新鮮な程卵が赤く美麗な輝きを放しました。その原因を分析したところすべてプロトポルフィリンでした。鳥類図鑑ではアロウカナの青い色素の原因はビリベルジンと書いてあったのを記憶していますがそれは間違いです。因みに、ポルフィリンに銅がキレートすると青色になります。
卵のご提供を賜りました愛知県農業総合試験所に感謝します。(近藤雅雄、2025年5月3日掲載)
1.水の中に入れると、新鮮な卵は水に沈んで横向きに倒れる。しかし、古くなった卵は、水に浮いたり、底で垂直に立ったりする。
2.10%の濃い食塩水に卵を沈めると、新鮮な卵はすぐに沈む。しかし、古い卵は、水に浮いてくるか、時間が経ってから沈む。
3.光に透かすと、新鮮な卵は、卵黄が小さく、白身が濃厚で白く濁っているように見える。鮮度が落ちた卵は、卵黄が大きく、白身が薄くて透明感がある。
などが知られていますが、卵の殻にポルフィリンが付着していることは意外と知られていません。
卵の殻に紫外線を照射するだけで卵の鮮度が分かる
卵の殻には、消費者の購買意欲をそそるような色付き卵(褐色、ピンク色、青色など)が市販され、私たちの目を楽しませてくれます。これら色付き卵や白い卵の殻に暗室で紫外線(400nm付近の遠紫外線)を照射するととても美麗な赤色蛍光を発する(下の写真参照)。この蛍光は色付きに限らずすべての卵類は新鮮な程強く、逆に古いほど弱いことがわかりました。つまり、赤い蛍光物質はプロトポルフィリンと言ってヘム生合成の中間体です。
鶏などの鳥類では、血漿中のプロトポルフィリンが卵管を介して卵殻(カルシウムと結合)に移動(排泄)するのではないかと推測されます。
ポルフィリンは巨大なπ電子を持っていて、長い間太陽や蛍光灯などに曝されたり、空気で酸化されるとエネルギーを放出し、壊れていきます。したがって、鮮度が良いほど、紫外線を照射により赤色蛍光を発する。逆に古い卵は、赤色蛍光が弱い。
白い卵の白色レグホンや赤玉鶏、名古屋コーチン(名古屋種)、烏骨鶏、アロウカナ、ウズラなどの卵類を調べましたが、新鮮な程卵が赤く美麗な輝きを放しました。その原因を分析したところすべてプロトポルフィリンでした。鳥類図鑑ではアロウカナの青い色素の原因はビリベルジンと書いてあったのを記憶していますがそれは間違いです。因みに、ポルフィリンに銅がキレートすると青色になります。
卵のご提供を賜りました愛知県農業総合試験所に感謝します。(近藤雅雄、2025年5月3日掲載)
ポルフィリン症患者の診断・治療後の無治療経過観察調査結果
ポルフィリン症を「病気の主座がポルフィリン代謝の異常にある一群の疾患」と定義します。ポルフィリン症は希少性および多彩かつ重篤な症状から国際的に注目され、我が国では2015年5月に「指定難病」として認定されました。本症については診断・治療についての報告は多いが、診断・治療後の実態については不明の点が多い。
そこで、遺伝性ポルフィリン症の確定診断・治療後、自宅にて社会生活を送っている患者61名(急性ポルフィリン症:AIP 16例、VP 9例、HCP 2例、分類不明の急性ポルフィリン症(AP)および皮膚ポルフィリン症:EPP 28例、CEP 2例、3例、PCT 1例)の同意を得て、病型別に性、年齢、出身、発症要因、自覚症状、家族歴、身長、体重、血圧、糖尿病、肝臓障害の有無、飲酒、喫煙、日常の食生活および運動習慣等についてのアンケート調査を行い、我が国で初めてポルフィリン症の治療後の病態および生活習慣等の実態が分かりました。
今回の調査によって、ポルフィリン症自体の多彩な他覚症状に加えて、さらに多彩な合併症および自覚症状を有することが分かりました。また、自由意見から、本疾患の障害は診断・治療後においても深刻であり、いつまた発症するのかについての不安、いのちの不安、遺伝の不安、社会復帰の不安、生活の不安、学習環境の不安、人間関係の不安等々、治療後のケアーがいかに重要であるかが理解されました。
以上の結果、我が国で初めてポルフィリン症の治療後の病態および生活習慣等の実態が確認されました。
本研究の内容は以下のPDFを参照して下さい。(近藤雅雄、2025年5月2日掲載)
PDF:ポルフィリン症患者の治療後の生活調査
そこで、遺伝性ポルフィリン症の確定診断・治療後、自宅にて社会生活を送っている患者61名(急性ポルフィリン症:AIP 16例、VP 9例、HCP 2例、分類不明の急性ポルフィリン症(AP)および皮膚ポルフィリン症:EPP 28例、CEP 2例、3例、PCT 1例)の同意を得て、病型別に性、年齢、出身、発症要因、自覚症状、家族歴、身長、体重、血圧、糖尿病、肝臓障害の有無、飲酒、喫煙、日常の食生活および運動習慣等についてのアンケート調査を行い、我が国で初めてポルフィリン症の治療後の病態および生活習慣等の実態が分かりました。
今回の調査によって、ポルフィリン症自体の多彩な他覚症状に加えて、さらに多彩な合併症および自覚症状を有することが分かりました。また、自由意見から、本疾患の障害は診断・治療後においても深刻であり、いつまた発症するのかについての不安、いのちの不安、遺伝の不安、社会復帰の不安、生活の不安、学習環境の不安、人間関係の不安等々、治療後のケアーがいかに重要であるかが理解されました。
以上の結果、我が国で初めてポルフィリン症の治療後の病態および生活習慣等の実態が確認されました。
本研究の内容は以下のPDFを参照して下さい。(近藤雅雄、2025年5月2日掲載)
PDF:ポルフィリン症患者の治療後の生活調査
患者発見に対する診断法開発への熱い思いと教育・研究
研究を始めた1970年代、ポルフィリン測定の検査会社はありませんでした。ポルフィリン症の診断は大変遅れ、診断に何年もかかり、または誤診される確率が非常に高く、発症してからの致死率も急性ポルフィリン症の場合には80%を超えていました。
これまで誰も成し遂げなかった、ポルフィリン代謝関連産物(8つの酵素活性とポルフィリン代謝関連物質合計25種類の測定法の開発を行い、1970年代後半、世界に先駆けて血液および尿10µℓ、肝組織10mgや骨髄・皮膚・神経・腎細胞、培養細胞と言った微量生検試料を用いて、生体内に存在する全ポルフィリン類(約20種類あります)をほんの数10分で測定できる自動微量迅速精密分析定量法を、高速液体クロマトグラフィーを用いて開発しました。測定法(検査法、診断法)が完成すると次は診断基準となります。多症例の患者さんが必要となるので、国内からポルフィリン症患者さん並びにその疑いのある人から測定しました。同時に、対照値として、血液、尿、糞便においては健常者を対象とした各種健診時に採血、検便、採尿した試料を集め、年齢・性別に分けてポルフィリン代謝産物や血液中の酵素活性の健常値を決定しました。
1978年~2007年2月の約30年間、「ポルフィリン症の疑い」として、あるいは診断が付かない疾病などの病態解析のためにポルフィリン代謝関連物質の検査依頼があった総検体(試料)数は6,000以上になりました。この内、遺伝性ポルフィリン症として確定鑑別診断したのは、215例でした。
2007年以降、ポルフィリン症の生化学的検査をする研究者はいなくなり、確定診断に必須なポルフィリン代謝関連物質の測定を行う研究・検査機関も殆ど無くなりました。検査は米国に検体を送っているのが現実です。現在、研究者や検査機関は増えることなく、患者の報告数も減少しています。さらに、ポルフィリン症関係の学術図書、論文・記事が急激に少なくなりました。2015年に「指定難病」に承認されたのを機会に、ポルフィリン症研究の研究者および検査機関が増えることを願っています。(近藤雅雄、2025年5月1日掲載)
PDF:患者の立場に立った教育・研究活動
これまで誰も成し遂げなかった、ポルフィリン代謝関連産物(8つの酵素活性とポルフィリン代謝関連物質合計25種類の測定法の開発を行い、1970年代後半、世界に先駆けて血液および尿10µℓ、肝組織10mgや骨髄・皮膚・神経・腎細胞、培養細胞と言った微量生検試料を用いて、生体内に存在する全ポルフィリン類(約20種類あります)をほんの数10分で測定できる自動微量迅速精密分析定量法を、高速液体クロマトグラフィーを用いて開発しました。測定法(検査法、診断法)が完成すると次は診断基準となります。多症例の患者さんが必要となるので、国内からポルフィリン症患者さん並びにその疑いのある人から測定しました。同時に、対照値として、血液、尿、糞便においては健常者を対象とした各種健診時に採血、検便、採尿した試料を集め、年齢・性別に分けてポルフィリン代謝産物や血液中の酵素活性の健常値を決定しました。
1978年~2007年2月の約30年間、「ポルフィリン症の疑い」として、あるいは診断が付かない疾病などの病態解析のためにポルフィリン代謝関連物質の検査依頼があった総検体(試料)数は6,000以上になりました。この内、遺伝性ポルフィリン症として確定鑑別診断したのは、215例でした。
2007年以降、ポルフィリン症の生化学的検査をする研究者はいなくなり、確定診断に必須なポルフィリン代謝関連物質の測定を行う研究・検査機関も殆ど無くなりました。検査は米国に検体を送っているのが現実です。現在、研究者や検査機関は増えることなく、患者の報告数も減少しています。さらに、ポルフィリン症関係の学術図書、論文・記事が急激に少なくなりました。2015年に「指定難病」に承認されたのを機会に、ポルフィリン症研究の研究者および検査機関が増えることを願っています。(近藤雅雄、2025年5月1日掲載)
PDF:患者の立場に立った教育・研究活動
ポルフィリン症患者さんとの病気に関する質疑応答集Q&A
ポルフィリン症は2015年に指定難病として承認されましたが、そこに至るまでの道のりは大変でした。筆者は、1978年から2007年までの30年間に日本人203例及び海外から12例、計215例のポルフィリン症患者を見出し、診断してきました。海外の例では、チュニジアから医師が患者の尿を持って、筆者の研究室(国立公衆衛生院)に来ました。尿中のポルフィリン関連物質を測定し、診断してほしいと言うのです。そこで、目の前で測定し、先天性赤芽球性ポルフィリン症の確定診断を行ったことがあります。データを渡したところ、大変喜んでいましたので、その後、目黒の八芳園で昼食をご馳走し、自家用車で都内を案内しました。翌日、空港まで送り、帰国していきました。
また、国内の患者さんとの思い出は多すぎて尽きません。例えば、博多の先天性赤芽球性ポルフィリン症の患者さんは、生前、東京に出て来ては「私が来た理由は都内の病院巡りをして自分の病気を医師たちに知って欲しい」というので、主な国立病院、都立病院、私立病院、大学病院を一つずつ、身体に無理が無いようにケアーしながら紹介して歩いたことがあります。また、他の同じ病気の患者さんは生前、入院中に千羽鶴を1100羽、織り、送ってくれました。赤芽球性プロトポルフィリン症の患者さんは、生前、入院中に自分の糞便を約2㎏凍結保存して、研究に使ってくださいと看護師さんが運んできたことがあります。とても困りましたが。などなど。
ここでは、ポルフィリン症患者さんの疑問点や不安を解消し、より良い生活を送るための情報を提供するために、患者さんからメールまたはお手紙で頂いた質問内容を個人情報が分からないように、修正して記載しました。
内容は、①ポルフィリン症全般、その他、②急性ポルフィリン症、③皮膚ポルフィリン症に分けて纏めましたので、参考にして下さい。(近藤雅雄、2025年4月30日掲載、2025年9月16日更新)
PDF:ポルフィリン症患者とのQ&A集
また、国内の患者さんとの思い出は多すぎて尽きません。例えば、博多の先天性赤芽球性ポルフィリン症の患者さんは、生前、東京に出て来ては「私が来た理由は都内の病院巡りをして自分の病気を医師たちに知って欲しい」というので、主な国立病院、都立病院、私立病院、大学病院を一つずつ、身体に無理が無いようにケアーしながら紹介して歩いたことがあります。また、他の同じ病気の患者さんは生前、入院中に千羽鶴を1100羽、織り、送ってくれました。赤芽球性プロトポルフィリン症の患者さんは、生前、入院中に自分の糞便を約2㎏凍結保存して、研究に使ってくださいと看護師さんが運んできたことがあります。とても困りましたが。などなど。
ここでは、ポルフィリン症患者さんの疑問点や不安を解消し、より良い生活を送るための情報を提供するために、患者さんからメールまたはお手紙で頂いた質問内容を個人情報が分からないように、修正して記載しました。
内容は、①ポルフィリン症全般、その他、②急性ポルフィリン症、③皮膚ポルフィリン症に分けて纏めましたので、参考にして下さい。(近藤雅雄、2025年4月30日掲載、2025年9月16日更新)
PDF:ポルフィリン症患者とのQ&A集
遺伝性ポルフィリン症患者の発症予防と健康管理・指導
指定難病ポルフィリン症は臨床症状の特徴から急性ポルフィリン症(4病型)と皮膚ポルフィリン症(5病型)に分類され、症状は重症です。ここでは、症状軽減と発症予防を目的に、日常の健康管理について紹介しました。
1.急性ポルフィリン症
急性ポルフィリン症では遺伝的に当該酵素活性が50%以上減少していますが、日常生活に支障はありません。しかし、薬の服用、月経、妊娠・分娩、飢餓、ストレスなどによってヘム利用が高まり、ヘム量が減少すると発症します。したがって、発症を誘発する因子は男性よりも女性の方が圧倒的に多いのです。そこで、健康管理を目的として考えておくべきことは
1)発作の誘発因子 (ストレス、女性の性ホルモンバランスの変化、食事、肝臓に負担をかけるような生活、急性ポルフィリン症を誘発させる生活用品の使用)を除去する。
2)予防策(ストレスに対する予防策、水分や糖質の摂取、女性の問題、薬の問題)を考える。
3)急性発作症状が出たときの対応。
4)妊娠・出産(妊娠・出産、LH-RHアナログ製剤、ピルと避妊)に対する対応。
の4つです。この内容については下記のPDFに纏めました。
2.皮膚ポルフィリン症
患者さんが日常生活習慣で気を付けることは、遮光と体内に蓄積したポルフィリンを尿や便として排泄を促すと良いです。何もしないよりはましです。また、晩発性皮膚ポルフィリン症と赤芽球性プロトポルフィリン症は光以外に誘発因子がある場合は取り除いてください。具体的には下記のPDFに示しましたので参考にして下さい。
急性、皮膚ポルフィリン症の患者さんの発症予防とQOL向上を目指した健康管理として最も重要なことは前向きに生活することです。ピンチもチャンスに変える気分が大切。明るくおおらかに、「前へ」踏み出しましょう。その勇気も大切です。誰か相談できる相手を見つけ、いつでも困ったことがあれば相談することが大切です。一人で悩まないことです。 (近藤雅雄、2025年4月29日掲載)
PDF:ポルフィリン症の健康管理・指導
1.急性ポルフィリン症
急性ポルフィリン症では遺伝的に当該酵素活性が50%以上減少していますが、日常生活に支障はありません。しかし、薬の服用、月経、妊娠・分娩、飢餓、ストレスなどによってヘム利用が高まり、ヘム量が減少すると発症します。したがって、発症を誘発する因子は男性よりも女性の方が圧倒的に多いのです。そこで、健康管理を目的として考えておくべきことは
1)発作の誘発因子 (ストレス、女性の性ホルモンバランスの変化、食事、肝臓に負担をかけるような生活、急性ポルフィリン症を誘発させる生活用品の使用)を除去する。
2)予防策(ストレスに対する予防策、水分や糖質の摂取、女性の問題、薬の問題)を考える。
3)急性発作症状が出たときの対応。
4)妊娠・出産(妊娠・出産、LH-RHアナログ製剤、ピルと避妊)に対する対応。
の4つです。この内容については下記のPDFに纏めました。
2.皮膚ポルフィリン症
患者さんが日常生活習慣で気を付けることは、遮光と体内に蓄積したポルフィリンを尿や便として排泄を促すと良いです。何もしないよりはましです。また、晩発性皮膚ポルフィリン症と赤芽球性プロトポルフィリン症は光以外に誘発因子がある場合は取り除いてください。具体的には下記のPDFに示しましたので参考にして下さい。
急性、皮膚ポルフィリン症の患者さんの発症予防とQOL向上を目指した健康管理として最も重要なことは前向きに生活することです。ピンチもチャンスに変える気分が大切。明るくおおらかに、「前へ」踏み出しましょう。その勇気も大切です。誰か相談できる相手を見つけ、いつでも困ったことがあれば相談することが大切です。一人で悩まないことです。 (近藤雅雄、2025年4月29日掲載)
PDF:ポルフィリン症の健康管理・指導
遺伝性ポルフィリン症の患者把握及び診療体制の問題点
2015年、本疾患は「指定難病」として認定されましたが、以下の問題について検討が必要です。
1.臨床検査室並びに検査機関の不備
ポルフィリン症は研究者の興味や善意で遺伝子検査や診断・治療が行われてきました。これら善意の研究者がいなくても継続的に診断可能な医療(検査)体制の構築を願っています。また、急性ポルフィリン症を含め多くの病型が発症時に赤色尿を診る。しかし、採尿はトイレで行い、トイレの「尿置き場」に提出するので、現代の医療現場では、医師が尿の色を観察することはありません。
2.専門外来の開設
ポルフィリン症の認知度が低く、多数の患者が未診断のまま症状や合併症に悩まされています。診療できる医療機関も少ないことから早急に疾患の啓発と共に診療体制の整備が必要です。
3.薬剤情報の徹底と公開
急性ポルフィリン症は、発症の誘発・増悪因子としての薬剤が重要な位置を占めています。筆者らは1999年「ポルフィリン症と薬剤」について纏めましたが、その後、新薬がどんどん開発されているにもかかわらず、安全性に関する評価研究情報はまったくありません。薬剤の安全性・禁忌などに関する情報を早急に調査し、その結果を的確に伝える手段・システムの整備が望まれています。
4.患者把握の困難性
・稀少疾患であり、症状が多彩であることが診断を困難にしている。
・診断の検査体制が日本にはなく、病型別鑑別診断が困難である。
・症状の多様性から多くの患者が誤診されている可能性が高い。
・未発症の不顕性遺伝子保有者が多く、遺伝性を検査・証明することが困難である。
などの問題があり、個人情報を保護した法律に基づいた患者把握の整備が必要と思われます。詳細は下記PDFに示しました。(近藤雅雄、2025年4月28日掲載)
PDF:ポルフィリン症の診療体制の問題点
1.臨床検査室並びに検査機関の不備
ポルフィリン症は研究者の興味や善意で遺伝子検査や診断・治療が行われてきました。これら善意の研究者がいなくても継続的に診断可能な医療(検査)体制の構築を願っています。また、急性ポルフィリン症を含め多くの病型が発症時に赤色尿を診る。しかし、採尿はトイレで行い、トイレの「尿置き場」に提出するので、現代の医療現場では、医師が尿の色を観察することはありません。
2.専門外来の開設
ポルフィリン症の認知度が低く、多数の患者が未診断のまま症状や合併症に悩まされています。診療できる医療機関も少ないことから早急に疾患の啓発と共に診療体制の整備が必要です。
3.薬剤情報の徹底と公開
急性ポルフィリン症は、発症の誘発・増悪因子としての薬剤が重要な位置を占めています。筆者らは1999年「ポルフィリン症と薬剤」について纏めましたが、その後、新薬がどんどん開発されているにもかかわらず、安全性に関する評価研究情報はまったくありません。薬剤の安全性・禁忌などに関する情報を早急に調査し、その結果を的確に伝える手段・システムの整備が望まれています。
4.患者把握の困難性
・稀少疾患であり、症状が多彩であることが診断を困難にしている。
・診断の検査体制が日本にはなく、病型別鑑別診断が困難である。
・症状の多様性から多くの患者が誤診されている可能性が高い。
・未発症の不顕性遺伝子保有者が多く、遺伝性を検査・証明することが困難である。
などの問題があり、個人情報を保護した法律に基づいた患者把握の整備が必要と思われます。詳細は下記PDFに示しました。(近藤雅雄、2025年4月28日掲載)
PDF:ポルフィリン症の診療体制の問題点
ポルフィリン症の現状と課題:患者のQOL向上医療への提案
指定難病ポルフィリン症は根治療法のない典型的な難治性疾患であり、患者は仕事がない・出来ない、高額な医療費を生涯負担し続けなければならないなどと言った不条理が続いています。
また、医師はポルフィリン症と気付かずに診断が送れたり、誤診したり、また診断されても治療を拒否したり、妊娠・出産を否定するといったことが日常的に起こっています。
そして、患者の多くが結婚、出産を控える。これらのことが過去から現在、そして、未来へも引き継がれようとしています。これらの問題に対して、患者家族が安心して社会生活ができ、安心して高度医療が受けられるよう、社会の理解が必要である。そして、それが実現されるよう早急な対策が望まれます。
急性ポルフィリン症の男女比では女性の方がホルモンの関係で圧倒的に発症者が多い。一方で、9病型すべてのポルフィリン症は1920年に最初の報告があってから2010年までに926例が医学中央雑誌に記載されていますが、誤診や診断されたとしても医師が報告しないなどの理由で、相当数の患者が未報告のままと思われます。実際はこの10倍前後(約1万人)の数値が推測され、その大部分は十分な治療を受けられないままと思われます。
ポルフィリン症は光線過敏性皮膚症状や精神・神経・感覚、代謝・内分泌、肝・消化器、造血・循環器,筋・運動器、腎臓・泌尿器など、多彩な症状を呈することから早急な対応が求められます。そのためには、
1.「多彩な症状」に対応できる医師の不足と医療費の高騰。
2.希少疾患患者の立場に立った医療研究の激減。
3.診断が難しいなどの理由で誤診率の高い。
4.根治治療法がなく、対症療法が主であるが、禁忌薬が多く医薬品の対応が難しい。
5.患者のストレスに対する心身のケアーが不十分。
など、さまざまな問題に対する対応策をに真摯に向き合い、改善していく必要があります。
以上、ポルフィリン症の現状と課題について、下記PDFに示しました。(近藤雅雄、2025年4月27日掲載)
PDF:ポルフィリン症の現状と課題
また、医師はポルフィリン症と気付かずに診断が送れたり、誤診したり、また診断されても治療を拒否したり、妊娠・出産を否定するといったことが日常的に起こっています。
そして、患者の多くが結婚、出産を控える。これらのことが過去から現在、そして、未来へも引き継がれようとしています。これらの問題に対して、患者家族が安心して社会生活ができ、安心して高度医療が受けられるよう、社会の理解が必要である。そして、それが実現されるよう早急な対策が望まれます。
急性ポルフィリン症の男女比では女性の方がホルモンの関係で圧倒的に発症者が多い。一方で、9病型すべてのポルフィリン症は1920年に最初の報告があってから2010年までに926例が医学中央雑誌に記載されていますが、誤診や診断されたとしても医師が報告しないなどの理由で、相当数の患者が未報告のままと思われます。実際はこの10倍前後(約1万人)の数値が推測され、その大部分は十分な治療を受けられないままと思われます。
ポルフィリン症は光線過敏性皮膚症状や精神・神経・感覚、代謝・内分泌、肝・消化器、造血・循環器,筋・運動器、腎臓・泌尿器など、多彩な症状を呈することから早急な対応が求められます。そのためには、
1.「多彩な症状」に対応できる医師の不足と医療費の高騰。
2.希少疾患患者の立場に立った医療研究の激減。
3.診断が難しいなどの理由で誤診率の高い。
4.根治治療法がなく、対症療法が主であるが、禁忌薬が多く医薬品の対応が難しい。
5.患者のストレスに対する心身のケアーが不十分。
など、さまざまな問題に対する対応策をに真摯に向き合い、改善していく必要があります。
以上、ポルフィリン症の現状と課題について、下記PDFに示しました。(近藤雅雄、2025年4月27日掲載)
PDF:ポルフィリン症の現状と課題
ポルフィリン症の診断法および関連代謝物測定法の将来
ポルフィリン症の診断は将来的には遺伝子診断が普及し、それに伴って遺伝性ポルフィリン症の簡易的な遺伝子診断法が開発され、現在の新生児マスクリーニング検査の拡大版として普及することを望んでいます。診断が確立されれば、症状発現と代謝異常とが相関しますので、症状の重症度評価並びに予後判定に、ポルフィリン代謝物の測定が必須になってきます。
また、ポルフィリン代謝によって生産されるヘムは生命の根幹の生化学反応に関わる生命維持に不可欠な色素です。そのため、ポルフィリン代謝関連物質の測定は遺伝性ポルフィリン症だけでなく、後天性のポルフィリン代謝異常症の病態解析や治療および予後判定などに重要な指標となるので、将来的にも測定は必要不可欠です。さらに、ポルフィリン代謝系酵素はさまざまな環境因子によって鋭敏に影響を受けるため、その代謝物の測定感度の高さから微量の検出で評価できますので、放射能や大気汚染物質、医薬品、農薬、有機溶剤、鉛、水銀、タリウム、砒素あるいは希土類元素など各種元素などの各種薬物や環境物質の生体影響の指標としても有用です。
現在、遺伝子診断並びにポルフィリン代謝物の測定は難解で時間と技術を要し、高価な機器を用いなければなりません。これを安価で、誰にでもできるよう簡素化することができると良いのですが?
将来、尿、血液、糞便中のポルフィリンや尿中ポルホビリノゲンを検出する試験紙法(例えばpH試験紙やウイルス検出キットのようなもの)などの開発やポルフィリン症の発見率の向上や発症予防・予後判定、及び環境因子の生体影響評価等に応用できるものが開発されることを期待しています。(近藤雅雄、2025年4月26日掲載)
また、ポルフィリン代謝によって生産されるヘムは生命の根幹の生化学反応に関わる生命維持に不可欠な色素です。そのため、ポルフィリン代謝関連物質の測定は遺伝性ポルフィリン症だけでなく、後天性のポルフィリン代謝異常症の病態解析や治療および予後判定などに重要な指標となるので、将来的にも測定は必要不可欠です。さらに、ポルフィリン代謝系酵素はさまざまな環境因子によって鋭敏に影響を受けるため、その代謝物の測定感度の高さから微量の検出で評価できますので、放射能や大気汚染物質、医薬品、農薬、有機溶剤、鉛、水銀、タリウム、砒素あるいは希土類元素など各種元素などの各種薬物や環境物質の生体影響の指標としても有用です。
現在、遺伝子診断並びにポルフィリン代謝物の測定は難解で時間と技術を要し、高価な機器を用いなければなりません。これを安価で、誰にでもできるよう簡素化することができると良いのですが?
将来、尿、血液、糞便中のポルフィリンや尿中ポルホビリノゲンを検出する試験紙法(例えばpH試験紙やウイルス検出キットのようなもの)などの開発やポルフィリン症の発見率の向上や発症予防・予後判定、及び環境因子の生体影響評価等に応用できるものが開発されることを期待しています。(近藤雅雄、2025年4月26日掲載)
科学的根拠に基づいた難病「ポルフィリン症」の診断基準
ポルフィリン症はヘム代謝系に関わる8つの酵素のいずれかの活性低下により、ポルフィリンあるいはその前駆体が体内に増量・蓄積することによって発症するまれな遺伝性疾患です。現在、9病型が報告されていますが、病態の大部分は不明であり、根治療法がありません。各病型間で症状に重なりがありますが、診断は非常に難しく、確定診断には生化学診断や遺伝子診断などが必要です。
ここでは厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「遺伝性ポルフィリン症の全国疫学調査ならびに診断・治療法の開発に関する研究」にて作成した診断基準案(2009,2010年度総括・分担研究報告書)を基に作成しました。根拠は国内学会にて発表、公開したデータ(論文)に基きました。
診断基準は急性ポルフィリン症として急性間歇性ポルフィリン症、遺伝性コプロポルフィリン症、多様性ポルフィリン症、皮膚ポルフィリン症として赤芽球性プロトポルフィリン症、先天性赤芽球ポルフィリン症、晩発性皮膚ポルフィリン症、X連鎖優性プロトポルフィリン症、肝赤芽球性ポルフィリン症と診断されたものを、各々対象としました。
それぞれの病型にて①臨床所見、②検査所見(発作時)、③遺伝子検査、④除外診断、⑤参考事項、診断の判定についてのチェック項目があるので以下のPDFを参考にして下さい。(近藤雅雄、2025年4月26日掲載)
PDF:ポルフィリン症の診断基準
ここでは厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「遺伝性ポルフィリン症の全国疫学調査ならびに診断・治療法の開発に関する研究」にて作成した診断基準案(2009,2010年度総括・分担研究報告書)を基に作成しました。根拠は国内学会にて発表、公開したデータ(論文)に基きました。
診断基準は急性ポルフィリン症として急性間歇性ポルフィリン症、遺伝性コプロポルフィリン症、多様性ポルフィリン症、皮膚ポルフィリン症として赤芽球性プロトポルフィリン症、先天性赤芽球ポルフィリン症、晩発性皮膚ポルフィリン症、X連鎖優性プロトポルフィリン症、肝赤芽球性ポルフィリン症と診断されたものを、各々対象としました。
それぞれの病型にて①臨床所見、②検査所見(発作時)、③遺伝子検査、④除外診断、⑤参考事項、診断の判定についてのチェック項目があるので以下のPDFを参考にして下さい。(近藤雅雄、2025年4月26日掲載)
PDF:ポルフィリン症の診断基準



