1990年代に、コスモ石油株式会社中央研究所の田中徹博士が光合成菌を使い、ポルフィリンの前駆物質δ(5)-アミノレブリン酸(ALA)を製造する「発酵法」を開発してから、ALAの低コスト大量生産が可能となりました。この偉大な発見によって、研究用試薬としてだけでなく、多方面への研究に利用されるようになりました(これまで、ALAの人工合成は回収率が悪く、高価でした、そのためにポルフィリン・ヘムの研究はなかなか進みませんでした)。
2000年代に入り、コスモ石油は5-アミノレブリン酸(ALA)の植物への影響に関する研究を本格的にスタートしています。そして、2004年10月にはALA含有製品製造販売会社が設立され、国内販売に続き海外販売も本格的に展開しています。
同時期、コスモ石油の研究員数名が筆者の職場であった国立健康・栄養研究所にALAのカプセルを持参したので、私はそれを濃度を変えて服用し、自らの血液および尿中のポルフィリン代謝物を測定し、安全性と有効性を確認しました。その後、田中氏と宮成節子氏と3人で新大久保のなまず屋(2008年に閉店)で会食し、さまざまなALAの夢を語ったことを昨日のように覚えています。そして、数年でしたが、健康と病気に関する研究が行われました(下記PDF参照)。
2007年、小生が研究所を退職して大学に移動。翌年、コスモ石油(株)とSBIホールディングス(株)との合弁会社SBIアラプロモ(株)が設立されました。そして、田中氏と河田聡史氏が研究所の場所を探していた時、丁度小生が勤務する東京都市大学の総合研究所内に貸研究室が空いていたことから、ここにALA研究所を開設しました(大学では健康医科学研究室として開設)。そこで、筆者が2002年、国立公衆衛生院を退職した時に自宅の庭に建てた「健康科学研究所」の実験台、ALA測定専用カラム、紫外線照射器、実験器具、ポルフィリン代謝物分析の本、外部研究資金などをALA研究所に寄附し、夢を託しました(これを機に小生の研究所は閉鎖)。そして、田中氏の卓越した研究能力と精力的な企画・運営・指導、そして優秀な研究所スタッフの努力によって、ALAは健康食品、医薬品、化粧品、また、動物の飼料や植物の肥料などといったさまざまな分野で急速に注目されていきました。今では、脳腫瘍や膀胱がんなどがんの診断・治療、植物では光合成を促進すると共に収量・品質向上、健苗育成、ストレス耐性、耐塩性・耐冷性向上、都市および砂漠の緑化など、また、健常者に対しては免疫力増強、運動機能向上、疲労回復向上などとして保健・医療・環境など多様な分野で応用されるようになりました。
一方、2011年3月11日の東北の大震災以降、突然、世田谷の大学総合研究所内から神戸に移転しました。その後、SBIファーマ(株)が立ち上がり、研究所は神戸から川崎(ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)4F)に移り、組織も大分変わったようです。共に人生をかけた研究でした、頑張って欲しいと願っています。
なお、ALAは指定難病急性ポルフィリン症や鉛中毒の発症時に体内に過剰に蓄積するALAと同じものです。したがって、これらの患者さんの摂取は、事例はありませんが病気が悪化するかもしれません。また、発症に関わるかもしれません。服用は控えてください。
下記PDFにALA研究を回想し、成果の一部をPDFに纏めました。(近藤雅雄、2025年9月15日掲載)
PDF:ALA研究とその成果
ネズミの目から赤いプロトポルフィリンが涙液中に出現
ハーダー腺は、主に哺乳類、爬虫類、鳥類などの動物に見られる眼窩内に存在する腺で、眼窩の筋肉や涙腺と隣接し、涙や保護物質を分泌する腺です。涙液の油層成分を分泌する役割があり、特に水棲動物では眼球を保護する働きがあります。人間ではマイボーム腺がこの役割を担いますが、ウサギなど一部の動物ではハーダー腺が主要な油層分泌腺として機能します。
ハ-ダ-腺は特にげっ歯類に良く発達し、光受容、内分泌、免疫など、さまざまな機能が想定されています。特にラットで発達、不規則な形をし、「紅涙」として目やにや涙として現れることがあります。なぜ目から赤い色素を分泌するのかについてはわかっていませんでした。
最近になって、英国の研究グル-プがヘムを合成する酵素活性が他の組織臓器に比べて極めて低いために、基質であるプロトポルフィリンが大量に蓄積し、涙液中に出現することがわかりました。これらのことは、ハ-ダ-腺のポルフィリン・ヘム合成の調節が他の組織と異なっていることを示唆し、その起源および分子進化などの点で非常に興味が持たれています。(近藤雅雄、2025年5月4日掲載)
ハ-ダ-腺は特にげっ歯類に良く発達し、光受容、内分泌、免疫など、さまざまな機能が想定されています。特にラットで発達、不規則な形をし、「紅涙」として目やにや涙として現れることがあります。なぜ目から赤い色素を分泌するのかについてはわかっていませんでした。
最近になって、英国の研究グル-プがヘムを合成する酵素活性が他の組織臓器に比べて極めて低いために、基質であるプロトポルフィリンが大量に蓄積し、涙液中に出現することがわかりました。これらのことは、ハ-ダ-腺のポルフィリン・ヘム合成の調節が他の組織と異なっていることを示唆し、その起源および分子進化などの点で非常に興味が持たれています。(近藤雅雄、2025年5月4日掲載)
著書24.言葉はなかったが癒された。私は忘れない「リヴの物語」
ロングコートチワワ犬(雄、「国際公認血統証明書」)生後2か月が家族となり、息子がリヴと命名しました。しかし、12歳10カ月、近くの動物病院にてその小さないのちが消えました。
悲しみ癒えぬ間にリヴの物語を執筆しました。この物語は、日常生活の中でのさまざまな場面での触れ合いによって、私たち家族にたくさんのこころの安らぎと楽しさ、癒し、励まし、笑い、幸せをプレゼントしてくれたことに感謝し、短い生涯を写真と文章で追憶した47ページにわたる犬の物語です。
リヴは散歩や車に乗るのが怖く、1日中家の中にいました。外に出しても、車に乗せても体を震わせて怖がり、すぐに家に帰る。家の中では走り回り、いつもそばにいて、楽しませてくれました。 リヴとの思い出から、改めていのちの大切さと生きることの大切さ、そして感謝するこころを学びました。物語を作成中に、リヴの写真と病歴から、これまでに実に多くのからだとこころのサインを家族に送っていたことに気づきました。そして、さまざまなサインに気付かなかったことを悔やみました。 また、犬の死因を究明することは、私たち人間においてもいのちとは、救急医療とは、について考える機会となった。それは、本来まだ生きたであろういのちを救うことができなかったことに対する自分への憤りでした。しかし、そこから「いのちを大切にするこころ、生きるこころ、他者を思いやるこころ」といった、人間としての「こころ」の基本を学びました。そして、「健康と病気」について考える良い機会が与えられました。生き物は病気になる時には必ず、何らかのサインを心身から出していることを見逃さないようにし、早め早めに対応することが大切です。とくに言葉がない動物への日頃の感謝を忘れないことです。
リヴの死から学んだことは多い。今後残された人生にプラスになるよう、前向きに歩み続けよう。この地球に棲むすべての生き物は、いずれは死を迎える。それが早いか遅いかではなく、いかに生きたかどうかが大切です。たとえ、短いいのちであっても、一生懸命生きれば、悲しいがそれでよいと思う。家族として、共に歩んだのです。
私はこの物語を作成してから、日々を懐かしく、回想しています。(近藤雅雄、2025年5月1日掲載)
悲しみ癒えぬ間にリヴの物語を執筆しました。この物語は、日常生活の中でのさまざまな場面での触れ合いによって、私たち家族にたくさんのこころの安らぎと楽しさ、癒し、励まし、笑い、幸せをプレゼントしてくれたことに感謝し、短い生涯を写真と文章で追憶した47ページにわたる犬の物語です。
リヴは散歩や車に乗るのが怖く、1日中家の中にいました。外に出しても、車に乗せても体を震わせて怖がり、すぐに家に帰る。家の中では走り回り、いつもそばにいて、楽しませてくれました。 リヴとの思い出から、改めていのちの大切さと生きることの大切さ、そして感謝するこころを学びました。物語を作成中に、リヴの写真と病歴から、これまでに実に多くのからだとこころのサインを家族に送っていたことに気づきました。そして、さまざまなサインに気付かなかったことを悔やみました。 また、犬の死因を究明することは、私たち人間においてもいのちとは、救急医療とは、について考える機会となった。それは、本来まだ生きたであろういのちを救うことができなかったことに対する自分への憤りでした。しかし、そこから「いのちを大切にするこころ、生きるこころ、他者を思いやるこころ」といった、人間としての「こころ」の基本を学びました。そして、「健康と病気」について考える良い機会が与えられました。生き物は病気になる時には必ず、何らかのサインを心身から出していることを見逃さないようにし、早め早めに対応することが大切です。とくに言葉がない動物への日頃の感謝を忘れないことです。
リヴの死から学んだことは多い。今後残された人生にプラスになるよう、前向きに歩み続けよう。この地球に棲むすべての生き物は、いずれは死を迎える。それが早いか遅いかではなく、いかに生きたかどうかが大切です。たとえ、短いいのちであっても、一生懸命生きれば、悲しいがそれでよいと思う。家族として、共に歩んだのです。
私はこの物語を作成してから、日々を懐かしく、回想しています。(近藤雅雄、2025年5月1日掲載)
多発する群発地震:東日本大震災と福島原発事故からの教訓
日本列島を揺るがす大きな地震が多発しています。昨年(2024年)は能登半島地震が発生し、地域を混乱へと導きました。東北大震災では福島原子力発電所の爆発事故があり、現在もなお放射能汚染によって住むことができません。そして、未だに大地震を経験していない人々にとっては現実的ではありませんが、喫緊の問題として首都直下型地震や南海トラフ地震に対する防災準備があります。これらの地震が今後30年で70(~80)%近くの確立で発生すると予測されています。歴史は繰り返します。
地震の予知は未だに困難だし、異常気象の解明も進んでいません。今は世界中の英知を集めて、多様な生物が唯一存在する地球の活動と環境を明らかにし、この美しい地球を次代に引き継ぐべく取組まなければいけない重要な時代にあると思います。人類が住むたった一個の地球上で侵略や戦争、地下資源の奪い合い、泥棒等、社会を混乱・恐怖に陥れる行為をしている場合ではないのではないでしょうか。世界中のリーダーは世界の平和と発展、地球環境の保全に真剣になって貢献してほしいと心から願います。そして、地震に対しては、明日来るかわからない今日、いつ来ても対応できる知識と防災を整えておきたい。(近藤雅雄、2025年2月25日掲載)
PDF:B5,東日本大震災と福島原発事故からの教訓
地震の予知は未だに困難だし、異常気象の解明も進んでいません。今は世界中の英知を集めて、多様な生物が唯一存在する地球の活動と環境を明らかにし、この美しい地球を次代に引き継ぐべく取組まなければいけない重要な時代にあると思います。人類が住むたった一個の地球上で侵略や戦争、地下資源の奪い合い、泥棒等、社会を混乱・恐怖に陥れる行為をしている場合ではないのではないでしょうか。世界中のリーダーは世界の平和と発展、地球環境の保全に真剣になって貢献してほしいと心から願います。そして、地震に対しては、明日来るかわからない今日、いつ来ても対応できる知識と防災を整えておきたい。(近藤雅雄、2025年2月25日掲載)
PDF:B5,東日本大震災と福島原発事故からの教訓
鉛中毒の新たな国際問題と中毒発症・病態及び生化学機序
鉛は、採鉱、精錬、成型が簡単であったため古代から生活必需品として有用されてきました。ローマ帝国時代には、水道管、陶器用、化粧品、外用薬、塗料、料理用鍋類、食物用容器、酒の貯蔵などに使用されました。このため鉛中毒が多発し、ローマ文明は衰退したといわれています。
1994年、ベートーベンマニアがロンドンのサザビーでベートーベンの遺髪数本を7,300ドルで落札し、その内の2本を米国のウォルシュ博士に解析依頼した結果、通常量の100倍多い鉛が検出されました。彼の死因は長い間、梅毒死亡説が有力であったのですが、鉛の検出によって、肺炎治療に処方された鉛含有薬剤が原因で肝硬変を併発し、鉛中毒で死亡したと思われるようになりました。
鉛中毒は急性ポルフィリン症と似て、消化器症状、精神神経症状、造血障害、腎障害など多彩な症状を呈し、生命にかかわる重大な疾患です。2020年07月31日、国連は世界の子ども3人に1人が鉛中毒であると警鐘を発しました。世界中で最大8億人の子どもが、水質・大気汚染が原因で鉛中毒になっていると警告する特別報告書を30日、国連児童基金(ユニセフ)が発表しました。
以下、下記の論文PDFを参照して下さい。(近藤雅雄、2025年2月24日掲載)
PDF:鉛中毒の新たな問題と生化学
1994年、ベートーベンマニアがロンドンのサザビーでベートーベンの遺髪数本を7,300ドルで落札し、その内の2本を米国のウォルシュ博士に解析依頼した結果、通常量の100倍多い鉛が検出されました。彼の死因は長い間、梅毒死亡説が有力であったのですが、鉛の検出によって、肺炎治療に処方された鉛含有薬剤が原因で肝硬変を併発し、鉛中毒で死亡したと思われるようになりました。
鉛中毒は急性ポルフィリン症と似て、消化器症状、精神神経症状、造血障害、腎障害など多彩な症状を呈し、生命にかかわる重大な疾患です。2020年07月31日、国連は世界の子ども3人に1人が鉛中毒であると警鐘を発しました。世界中で最大8億人の子どもが、水質・大気汚染が原因で鉛中毒になっていると警告する特別報告書を30日、国連児童基金(ユニセフ)が発表しました。
以下、下記の論文PDFを参照して下さい。(近藤雅雄、2025年2月24日掲載)
PDF:鉛中毒の新たな問題と生化学
植物へのALA投与は抗酸化ミネラルとフラボノイドを増やす
近年、活性酸素が原因で起こる各種疾病からの予防及び健康維持・増進を目的としたフラボノイドの抗酸化能が注目されています。フラボノイドには約7000種ともいわれる多数の化学物質が報告され、その抗酸化能も異なります。そこで、約32種類の抗酸化物質についての抗酸化能を検討した結果、ルテオリンというポリフェノールが細胞内外にて極めて抗酸化能が高いことが分かりました。我々は、各種フラボノイドの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析法の開発を行うと同時に、各種植物のルテオリン量を調査した結果、ピーマンなどのベルペッパーに多く含まれていることを見出し、ピーマン中の各種フラボノイドの定量分析を行いました。
さらに、最近注目されている肥料ペンタガーデン(5-アミノレブリン酸(ALA)配合肥料:株式会社誠和アグリカルチャ)を投与し、栽培したピーマンのフラボノイドおよびミネラル量に及ぼす影響について検討を行ったところ、抗酸化作用を有するポリフェノール類の増量並びに多くの必須ミネラル、とくに免疫や抗酸化作用を有するミネラル類が増量することを見出しました。
ALAはクロロフィルやヘム合成に不可欠な鍵となるアミノ酸であり、このALAを配合したペンタガーデンまたはペンタキープには植物生長促進効果、光合成促進、バイオマスの増大、糖度の上昇、硝酸含量の低減、ビタミン含量の向上、低温・低照度耐性、耐塩性などの様々な機能が知られ農林業、施設園芸、野外圃場、都市や砂漠の緑化など多方面で利用されています。
最近、筆者も家庭園芸に用いたところ、花はより鮮やかに、葉はより緑に、また野菜や果物はより大きく、糖度も増し、各種栽培には欠かせない肥料として楽しんでいます。
ペンタガーデンの“ペンタ“の意味はギリシャ語で5を指し、5番目の炭素にアミノ基を持ったレブリン酸と言うことで、5-アミノレブリン酸と言い、このアミノ基が植物の成長に大変重要であることからペンタシリーズが開発されたものと推測されます。近藤雅雄(2019年6月10日掲載)
以下のPDFを参照して下さい。
PDF:ペンタガーデンは植物中の各種必須ミネラル及び抗酸化物質フラボノイドを増量させる
さらに、最近注目されている肥料ペンタガーデン(5-アミノレブリン酸(ALA)配合肥料:株式会社誠和アグリカルチャ)を投与し、栽培したピーマンのフラボノイドおよびミネラル量に及ぼす影響について検討を行ったところ、抗酸化作用を有するポリフェノール類の増量並びに多くの必須ミネラル、とくに免疫や抗酸化作用を有するミネラル類が増量することを見出しました。
ALAはクロロフィルやヘム合成に不可欠な鍵となるアミノ酸であり、このALAを配合したペンタガーデンまたはペンタキープには植物生長促進効果、光合成促進、バイオマスの増大、糖度の上昇、硝酸含量の低減、ビタミン含量の向上、低温・低照度耐性、耐塩性などの様々な機能が知られ農林業、施設園芸、野外圃場、都市や砂漠の緑化など多方面で利用されています。
最近、筆者も家庭園芸に用いたところ、花はより鮮やかに、葉はより緑に、また野菜や果物はより大きく、糖度も増し、各種栽培には欠かせない肥料として楽しんでいます。
ペンタガーデンの“ペンタ“の意味はギリシャ語で5を指し、5番目の炭素にアミノ基を持ったレブリン酸と言うことで、5-アミノレブリン酸と言い、このアミノ基が植物の成長に大変重要であることからペンタシリーズが開発されたものと推測されます。近藤雅雄(2019年6月10日掲載)
以下のPDFを参照して下さい。
PDF:ペンタガーデンは植物中の各種必須ミネラル及び抗酸化物質フラボノイドを増量させる
大学教養講座「人間と自然・地球環境」に関する基本的話題
地球上に人類が誕生して以来、近年の急速な人間文明の進歩、産業・科学技術の発達が人間生活に多様な利便性、合理性を与えるようになった反面、私たちの住む地球環境に、本来持っている自浄作用、維持能力を超えた様々な弊害(地球環境問題)をもたらすようになりました。
私たちにとってかけがえのない地球環境に与える直接的、間接的な原因等、環境影響の度合いは様々です。今やそれらの原因の中から、人間と自然・地球環境とのかかわりを学び、この美しい地球を次代に引き継ぎ、人類の持続可能な文明・社会を形成していくための方策を、具体的に自分の課題として考える時代に突入している。
内容は以下のPDF参照。(近藤雅雄、2015年9月20日掲載)
PDF:人間と地球環境
私たちにとってかけがえのない地球環境に与える直接的、間接的な原因等、環境影響の度合いは様々です。今やそれらの原因の中から、人間と自然・地球環境とのかかわりを学び、この美しい地球を次代に引き継ぎ、人類の持続可能な文明・社会を形成していくための方策を、具体的に自分の課題として考える時代に突入している。
内容は以下のPDF参照。(近藤雅雄、2015年9月20日掲載)
PDF:人間と地球環境
大学教養講座「地球と生命の誕生」に関する基礎的話題
生命は約40億年前、地球誕生から6億年経った頃の海の中で誕生したと考えられています。しかし、地球での生命の起源(誕生)については諸説あり、いまだに解明されていません。そこで、本稿では生命の誕生説について大きく①超常現象説、②化学進化説、③地球外に生命の起源が存在する説、という三つの説を紹介し、考察を行いました。さらに、ポルフィリン研究者から見た生命の誕生説に対する興味についてを記載しました。
内容は以下のPDF参照。(近藤雅雄、2015年9月20日掲載)
PDF:地球と生命の誕生
PDF:地球と生命の誕生
人口減少を抱える日本の深刻な問題「地球人口と日本」
地球に住む人間の数は、1950年に25億2,935万であったのが、2000年には2.4倍の61億1,537万人、2050年には91億4,998万人(2010年69億869万人)と年々増加しています。しかし、日本では諸外国に比して、減少しています。
人口問題として、人口の増加は食糧問題、飲料水問題、住む土地の狭小などの侵略の問題、貧困などの格差の問題、地球温暖化、公害、地球資源劣化などの地球環境の問題など、多くの問題を抱えています。一方、人口の減少は国の経済力の低下や防衛の脆弱性や易侵略性を抱え、国として大きな問題です。以下のPDFを参照して下さい。(近藤雅雄、2015年9月9日掲載)
PDF:地球と日本と人口
人口問題として、人口の増加は食糧問題、飲料水問題、住む土地の狭小などの侵略の問題、貧困などの格差の問題、地球温暖化、公害、地球資源劣化などの地球環境の問題など、多くの問題を抱えています。一方、人口の減少は国の経済力の低下や防衛の脆弱性や易侵略性を抱え、国として大きな問題です。以下のPDFを参照して下さい。(近藤雅雄、2015年9月9日掲載)
PDF:地球と日本と人口
「人間と地球環境」地球規模的な研究と改善が必要な問題
生物がこの地球に誕生して以来、気の遠くなるような長い時間をかけて地球環境のもたらす様々な変化に適応・順化し、今日の人間を中心とした文明社会を築き上げてきました。しかし、この百年単位の短い期間で先進国における大量消費、大量破壊型の社会構造、途上国における爆発的な人口増加、急激な都市化・工業化などによって私たちの住む恵の地球環境が大きく変貌しようとしています。いわゆる地球環境問題として、オゾン層の破壊、地球の温暖化、酸性雨など越境大気汚染、海洋汚染(地球規模の化学物質汚染を含む)、自然資源の劣化(熱帯林の減少、生物の多様性の減少、砂漠化など)など生物の生命に直接関わる深刻な問題が多数発生していますが、これらはすべてお互いに関連し合っています。
以下のPDFに原稿を掲載しました。(近藤雅雄、2015年9月5日掲載)
PDF:人間と地球環境問題
PDF:人間と地球環境問題
有害元素5.鉛(Pb)の概要及び中毒症状と発症機序
鉛の使用量は1991年で42万トンと言われているが、その大部分は蓄電池製造用に、残りは無機薬品、はんだ、鉛管、鉛板などに利用されている。わが国の産業現場では作業環境の改善と鉛予防規則による健康診断の実施が行われているが、零細な職場での慢性鉛中毒やときには漢方からの鉛中毒が散発しているので、以下のことを認識し、中毒症状が出現した場合は適切な処置をとることが必要である。
鉛は粉じんまたはヒュームの形で存在することが多く、気道が主たる進入経路で、その40~50%が肺に取り込まれ、体内に残留すると考えられている。血流中の鉛の大部分が赤血球とともに存在し、全身の臓器や組織に運ばれる。特に、骨への蓄積の割合が大きく約90%を占めるが、大部分は不活性の形で沈着する。骨への平均滞留時間は27年と長い。
吸入された鉛の一部には、経口摂取され消化管に入るものもあるが、消化管からの鉛の吸収は5~10%で、ほとんどは腸管を素通りして糞便とともに排泄される。その他、不感蒸泄、汗、落屑皮膚、脱落毛、爪などへも排泄される。
1.中毒の発症機序
生体内ヘム合成・代謝系の酵素、とくに5-アミノレブリン酸脱水酵素と鉄導入酵素を強く阻害するため、ポルフィリンの代謝異常を中心とした様々な中毒症状が出現する。
2.中毒症状
鉛中毒の主要症状は、貧血、腹部症状、神経症状の三つである。 腹部症状としては便秘、下痢、食欲不振、腹部膨満感、悪心、嘔吐、腹部の鈍痛、圧痛と多様な症状を引き起こす。特に鉛疝痛といい、小腸の痙攣性収縮に伴う発作性の激しい腹痛をおこす。神経症状としてはしびれ、筋力低下、筋萎縮などの末梢神経障害、頭痛、めまい、見当識障害、錯乱、意識障害などの中枢神経障害(鉛脳症)を起こす。その他、鉛顔貌(顔面が蒼白、貧血)、歯肉の鉛縁(歯肉への硫化鉛(PbS)の沈着)、垂れ手(下垂手)など、症状は多彩である。
コラム
○下垂手(垂れ手)
鉛中毒の特徴的症状であり、指、手関節の伸展ができなくなり、両腕が垂れた状態となる(いわゆる幽霊の手)。垂れ足も起こる。すなわち、日本の幽霊は鉛中毒であり、肌が白いことが美人として呼ばれた時代に化粧として鉛白を利用していたことが原因であろうと思われる。現代は勿論、鉛白は使用されていない。(近藤雅雄:2015年8月11日掲載)
鉛は粉じんまたはヒュームの形で存在することが多く、気道が主たる進入経路で、その40~50%が肺に取り込まれ、体内に残留すると考えられている。血流中の鉛の大部分が赤血球とともに存在し、全身の臓器や組織に運ばれる。特に、骨への蓄積の割合が大きく約90%を占めるが、大部分は不活性の形で沈着する。骨への平均滞留時間は27年と長い。
吸入された鉛の一部には、経口摂取され消化管に入るものもあるが、消化管からの鉛の吸収は5~10%で、ほとんどは腸管を素通りして糞便とともに排泄される。その他、不感蒸泄、汗、落屑皮膚、脱落毛、爪などへも排泄される。
1.中毒の発症機序
生体内ヘム合成・代謝系の酵素、とくに5-アミノレブリン酸脱水酵素と鉄導入酵素を強く阻害するため、ポルフィリンの代謝異常を中心とした様々な中毒症状が出現する。
2.中毒症状
鉛中毒の主要症状は、貧血、腹部症状、神経症状の三つである。 腹部症状としては便秘、下痢、食欲不振、腹部膨満感、悪心、嘔吐、腹部の鈍痛、圧痛と多様な症状を引き起こす。特に鉛疝痛といい、小腸の痙攣性収縮に伴う発作性の激しい腹痛をおこす。神経症状としてはしびれ、筋力低下、筋萎縮などの末梢神経障害、頭痛、めまい、見当識障害、錯乱、意識障害などの中枢神経障害(鉛脳症)を起こす。その他、鉛顔貌(顔面が蒼白、貧血)、歯肉の鉛縁(歯肉への硫化鉛(PbS)の沈着)、垂れ手(下垂手)など、症状は多彩である。
コラム
○下垂手(垂れ手)
鉛中毒の特徴的症状であり、指、手関節の伸展ができなくなり、両腕が垂れた状態となる(いわゆる幽霊の手)。垂れ足も起こる。すなわち、日本の幽霊は鉛中毒であり、肌が白いことが美人として呼ばれた時代に化粧として鉛白を利用していたことが原因であろうと思われる。現代は勿論、鉛白は使用されていない。(近藤雅雄:2015年8月11日掲載)
有害元素4.ヒ素(As)の概要及び中毒症状と発症機序
ヒ素は金属精錬、合金添加元素、特殊ガラス、農薬、顔料、半導体などに使われており、これらの製造に関与している人の場合、年に2回の健康診断が義務付けられています。ヒ素による毒性は、化学形に依存しており、一般に無機ヒ素は毒性が強く、有機ヒ素は毒性が弱い。海産物中のヒ素の多くは有機ヒ素化合物であり、人が摂取しても速やかに尿中に排泄されます。また、無機ヒ素が微量に取り込まれたとしても、肝臓中でメチル化され尿中に排泄されます。
日本人が常食しているひじきには発がんのリスクが指摘されている無機ヒ素を多く含有しています(22.7mg/kg)。英国食品規格庁(Food Standards Agency, FSA)は2004.7.28に英国民に対してひじきを食べないように勧告し、厚生労働省でも食品安全委員会、農林水産省など関係省庁と連携し、国際的な状況など調査を開始しようとしていましたが(2004年)。その後、厚生労働省は海藻に含まれているヒ素による中毒の健康被害が起きたとの報告はないと答え、農林水産省はひじきに含まれるヒ素の低減に向けた取り組みとして報告しています。
1.中毒の発症機序
3価または5価のヒ素が、体内でシステインのチオール基(SH基)などに結合することにより、これを含む酵素やタンパク質の機能(とくにATP合成酵素と、呼吸鎖系酵素)を阻害するためと考えられています。
2.中毒症状
急性中毒症状として、嘔吐、血性下痢、激しい腹痛などの胃腸障害(コレラ様下痢)、頻脈、血圧および体温低下などの基礎代謝の低下、痙攣、呼吸麻痺などの麻痺型の症状、腎不全、黄疸、末梢神経炎などが起こります。
慢性中毒症状では全身の倦怠感、爪、毛髪の萎縮、欠損、皮膚の角化および色素異常(黒皮症)、鼻中隔穿孔、気管支炎、多発性神経炎(脚気)、発熱なども起こることが報告されています。
コラム<中毒例>
○森永ヒ素ミルク事件
1955年の夏に岡山、広島県を中心に起きた食品汚染による中毒事件。被災児は12,131名にのぼり、発熱、嘔吐、皮膚の色素沈着、黄疸などに苦しみ、130名が死亡しました。生き残った者も、身長が同年齢平均より明らかに低く、脳波の異常所見や難聴の出現率が高いなどの重大な影響が残りました。粉ミルクの安定剤に使用していた第二リン酸ソーダに3~9%混入していた亜ヒ酸ソーダ(NaAsO2)が原因であると言われています。(近藤雅雄、2015年8月11日掲載)
日本人が常食しているひじきには発がんのリスクが指摘されている無機ヒ素を多く含有しています(22.7mg/kg)。英国食品規格庁(Food Standards Agency, FSA)は2004.7.28に英国民に対してひじきを食べないように勧告し、厚生労働省でも食品安全委員会、農林水産省など関係省庁と連携し、国際的な状況など調査を開始しようとしていましたが(2004年)。その後、厚生労働省は海藻に含まれているヒ素による中毒の健康被害が起きたとの報告はないと答え、農林水産省はひじきに含まれるヒ素の低減に向けた取り組みとして報告しています。
1.中毒の発症機序
3価または5価のヒ素が、体内でシステインのチオール基(SH基)などに結合することにより、これを含む酵素やタンパク質の機能(とくにATP合成酵素と、呼吸鎖系酵素)を阻害するためと考えられています。
2.中毒症状
急性中毒症状として、嘔吐、血性下痢、激しい腹痛などの胃腸障害(コレラ様下痢)、頻脈、血圧および体温低下などの基礎代謝の低下、痙攣、呼吸麻痺などの麻痺型の症状、腎不全、黄疸、末梢神経炎などが起こります。
慢性中毒症状では全身の倦怠感、爪、毛髪の萎縮、欠損、皮膚の角化および色素異常(黒皮症)、鼻中隔穿孔、気管支炎、多発性神経炎(脚気)、発熱なども起こることが報告されています。
コラム<中毒例>
○森永ヒ素ミルク事件
1955年の夏に岡山、広島県を中心に起きた食品汚染による中毒事件。被災児は12,131名にのぼり、発熱、嘔吐、皮膚の色素沈着、黄疸などに苦しみ、130名が死亡しました。生き残った者も、身長が同年齢平均より明らかに低く、脳波の異常所見や難聴の出現率が高いなどの重大な影響が残りました。粉ミルクの安定剤に使用していた第二リン酸ソーダに3~9%混入していた亜ヒ酸ソーダ(NaAsO2)が原因であると言われています。(近藤雅雄、2015年8月11日掲載)
有害元素3.水銀(Hg)の概要及び中毒症状と発症機序
水銀は無機、有機の形で広く利用されている。無機水銀としては各種の電極、計器、医・農薬、歯科用アマルガム、水銀灯などの製造、有機水銀としては種子の消毒薬、防黴剤、医薬品などの製造、殺菌剤などの製造に従事しているヒトは年に2回の健康診断が義務付けられています。
水銀の代謝は、無機水銀は一般に腎臓に最も多く蓄積し、腎障害を引き起こします。次に肝臓に蓄積しますが、脳にはあまり蓄積せず、中枢神経障害例は殆どありません。呼吸による吸収率は、75~80%に対し、経口による腸管吸収は5%以下と低い。全身の生物学的半減期は29~60日で、腎の生物学的半減期は全身のそれよりも長い。一般に腎に集中する傾向がありますが、低濃度投与では、水銀は胆汁および糞便中に排泄され、投与量の増加と共に尿中への排泄率が高くなります。
有機水銀であるメチル水銀は、95%が腸管に吸収されます。体内蓄積はほぼ全身に一様ですが、脳、肝臓、腎臓にやや多く、脳では低レベルでの蓄積障害がみられます。逆に、摂取されたメチル水銀の半量が体外に排泄されるのに約70日もかかり、毎日摂取し続ければ、摂取と排泄が等しくなるまで体内蓄積は増加します。
1.中毒の発症機序
無機的水銀の毒性はタンパク質のSH基と結合し、細胞機能としての解糖系、酸化還元系、また神経伝達系などの酵素機能障害が原因とされますが、メチル水銀の作用機序は必ずしも明らかになっていません。
ヒトが食物とともにメチル水銀を摂取すると、胃液の作用で塩化メチル水銀(CH3HgCl)となり、これから塩素の電気陰性度が高いためにCH3Hg+が生じ、これがタンパク質や酵素に含まれるSH基に強く作用し、H+の代わりにS-に強く結合するため、タンパク質や酵素の機能が阻害される、と考えられています。
2.中毒症状
無機水銀によるものと、有機水銀によるものとに大別されます。両者の間には症状、病理所見、中毒の原因となっている毒物の体内分布(臓器親和性)、生体内滞在時間などに違いが見られます。
1)無機水銀中毒
○急性中毒
口内炎、消化器症状(腹痛、嘔吐、下痢)、流ぜん(よだれをたらすこと)、腎臓の細尿管壊死が起こる。腎障害(無尿、尿毒症)でしばしば死に至る。水銀蒸気を吸入した場合、呼吸器が冒され、肺炎などを起こします。
○慢性中毒
主として神経症状があらわれます。流ぜん、唇や歯茎の青い変色、歯の抜け落ち、頭痛、めまい、記憶障害、不眠、極度の内向性、情緒不安定(いらだち、不機嫌、怒りやすい)、神経過敏などの精神症状、振せん(手指の震え。順次、まぶた、唇、舌、頭、手足などに及ぶ)言語障害、歩行障害、運動失調などが起こります。ただし、アルキル水銀中毒のような強い運動失調や視野狭窄(メガホンで物を見るような)は起こらないとされています。
2)有機水銀(メチル水銀)中毒症状
低レベルでの蓄積障害は、脳だけに起こり、脳の細胞膜が溶解し、大脳下部から細胞が破壊(軽石、空洞化)するので、回復不可能の中毒障害となります。
症状は四肢・全身のしびれ、視力障害、難聴、自律神経・神経障害、運動失調、知覚障害、視野狭窄、言語障害が起こります。重度になると精神障害にまで及ぶ。催奇形性、遺伝的毒性があり、胎児期に大量曝露を受けると脳性麻痺、痙攣、盲目が起こります。これらの症状は、短期曝露では一時的に回復しますが、長期間の曝露では不可逆的と言われています。
コラム<中毒例>
○水俣病
1953年~1960年に水俣湾沿岸の漁業家族に見られ、百数十人もの患者と、その内3分の1強の死者を出しました。また、先天性水俣病22名を出しましたた。これは無機水銀の有機化によるメチル水銀を生物濃縮して多量に含んだ魚介類を食べたために起きたものです。同様の事件が、1965年、新潟県阿賀野川沿岸でみられ、新潟水俣病(第二水俣病)と呼ばれています。
○イラクの種麦水銀中毒事件
1971年秋から1972年にかけて、イラクで集団発生したメチル水銀中毒。6530人が病院に収容され、そのうち459人が死亡したといわれています。これは、多数の農民がメチル水銀で消毒した種小麦を自家製のパンにして食べたことが原因であり、臨床症状の細部においては水俣病像のそれと必ずしも一致しません。日本では、この中毒事件の2年後、1974年から種子の消毒に水銀剤が一切使われなくなりました。
(近藤雅雄:2015年8月11日掲載)
水銀の代謝は、無機水銀は一般に腎臓に最も多く蓄積し、腎障害を引き起こします。次に肝臓に蓄積しますが、脳にはあまり蓄積せず、中枢神経障害例は殆どありません。呼吸による吸収率は、75~80%に対し、経口による腸管吸収は5%以下と低い。全身の生物学的半減期は29~60日で、腎の生物学的半減期は全身のそれよりも長い。一般に腎に集中する傾向がありますが、低濃度投与では、水銀は胆汁および糞便中に排泄され、投与量の増加と共に尿中への排泄率が高くなります。
有機水銀であるメチル水銀は、95%が腸管に吸収されます。体内蓄積はほぼ全身に一様ですが、脳、肝臓、腎臓にやや多く、脳では低レベルでの蓄積障害がみられます。逆に、摂取されたメチル水銀の半量が体外に排泄されるのに約70日もかかり、毎日摂取し続ければ、摂取と排泄が等しくなるまで体内蓄積は増加します。
1.中毒の発症機序
無機的水銀の毒性はタンパク質のSH基と結合し、細胞機能としての解糖系、酸化還元系、また神経伝達系などの酵素機能障害が原因とされますが、メチル水銀の作用機序は必ずしも明らかになっていません。
ヒトが食物とともにメチル水銀を摂取すると、胃液の作用で塩化メチル水銀(CH3HgCl)となり、これから塩素の電気陰性度が高いためにCH3Hg+が生じ、これがタンパク質や酵素に含まれるSH基に強く作用し、H+の代わりにS-に強く結合するため、タンパク質や酵素の機能が阻害される、と考えられています。
2.中毒症状
無機水銀によるものと、有機水銀によるものとに大別されます。両者の間には症状、病理所見、中毒の原因となっている毒物の体内分布(臓器親和性)、生体内滞在時間などに違いが見られます。
1)無機水銀中毒
○急性中毒
口内炎、消化器症状(腹痛、嘔吐、下痢)、流ぜん(よだれをたらすこと)、腎臓の細尿管壊死が起こる。腎障害(無尿、尿毒症)でしばしば死に至る。水銀蒸気を吸入した場合、呼吸器が冒され、肺炎などを起こします。
○慢性中毒
主として神経症状があらわれます。流ぜん、唇や歯茎の青い変色、歯の抜け落ち、頭痛、めまい、記憶障害、不眠、極度の内向性、情緒不安定(いらだち、不機嫌、怒りやすい)、神経過敏などの精神症状、振せん(手指の震え。順次、まぶた、唇、舌、頭、手足などに及ぶ)言語障害、歩行障害、運動失調などが起こります。ただし、アルキル水銀中毒のような強い運動失調や視野狭窄(メガホンで物を見るような)は起こらないとされています。
2)有機水銀(メチル水銀)中毒症状
低レベルでの蓄積障害は、脳だけに起こり、脳の細胞膜が溶解し、大脳下部から細胞が破壊(軽石、空洞化)するので、回復不可能の中毒障害となります。
症状は四肢・全身のしびれ、視力障害、難聴、自律神経・神経障害、運動失調、知覚障害、視野狭窄、言語障害が起こります。重度になると精神障害にまで及ぶ。催奇形性、遺伝的毒性があり、胎児期に大量曝露を受けると脳性麻痺、痙攣、盲目が起こります。これらの症状は、短期曝露では一時的に回復しますが、長期間の曝露では不可逆的と言われています。
コラム<中毒例>
○水俣病
1953年~1960年に水俣湾沿岸の漁業家族に見られ、百数十人もの患者と、その内3分の1強の死者を出しました。また、先天性水俣病22名を出しましたた。これは無機水銀の有機化によるメチル水銀を生物濃縮して多量に含んだ魚介類を食べたために起きたものです。同様の事件が、1965年、新潟県阿賀野川沿岸でみられ、新潟水俣病(第二水俣病)と呼ばれています。
○イラクの種麦水銀中毒事件
1971年秋から1972年にかけて、イラクで集団発生したメチル水銀中毒。6530人が病院に収容され、そのうち459人が死亡したといわれています。これは、多数の農民がメチル水銀で消毒した種小麦を自家製のパンにして食べたことが原因であり、臨床症状の細部においては水俣病像のそれと必ずしも一致しません。日本では、この中毒事件の2年後、1974年から種子の消毒に水銀剤が一切使われなくなりました。
(近藤雅雄:2015年8月11日掲載)
有害元素2.カドミウム(Cd)の概要及び中毒症状と発症機序
精錬、加工、電池製造、顔料、はんだ、銀蝋、合成樹脂の安定剤などの作業に従事する場合は年に2回の健康診断が義務付けられています。カドミウムの主たる曝露経路は吸入と経口摂取で、亜鉛と同様に小腸から約6%吸収されます。しかし、カルシウムやタンパク質、鉄が欠乏していると、10~20%程度にまで上昇します。
カドミウム代謝の特徴は、体内蓄積性が高いことです。カドミウムの生物学的半減期は8~30年と長く。体内カドミウムの約3分の1は腎臓に、また6分の1が肝臓に蓄積します。腎臓に蓄積したカドミウムは腎臓の細胞を破壊するため、腎障害を起こします。
1.中毒の発症機序
カドミウムは亜鉛と化学的性質が類似し、そのため、生体中の多くの亜鉛含有酵素の亜鉛とカドミウムが置換し、酵素阻害を起こします。また、細胞内タンパク質のイオウと非特異的に結合するため、生体内のイオウ(含流アミノ酸)を含む多くの酸化還元酵素の活性を阻害します。
2.中毒症状
カドミウムは呼吸器を強く刺激すると共に、腎障害を引き起こす。多量経口摂取時には、催吐性があります。
1)急性中毒
カドミウムのフュームに曝露すると、咽喉頭、気管の刺激症状、胸痛、頭痛、咳、呼吸困難(間質性肺浮腫)が、経口摂取により胃腸症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢)が生じます。また、悪寒、脱力感なども起こります。時には重症な肺炎を引き起こし、死亡する例もあります。
2)慢性中毒
中毒症状として、肺気腫、腎障害(尿細管不全)、蛋白尿が3大徴候です。呼吸器、消化器に関連した自覚症状を訴え、門歯、犬歯の歯茎の縁を取り巻く黄色環を認めることがあります。
呼吸器の症状としては鼻粘膜の潰瘍、無嗅覚症、肺気腫症状がみられます。
腎症状は、尿細管機能障害によって低分子量のたんぱく尿、腎性糖尿、尿中アミノ酸の増加、尿濃縮力の低下、高カルシウムおよび燐尿、尿酸性化障害、高塩素血症、アシドーシス、低燐血症が認められる。その他、低血色素性貧血、肝機能障害、骨塩代謝異常などが起こります。
疫学的研究によって、カドミウム作業者に肺と前立腺のがんの増加が認められています。ある動物実験では、肺がんと吸入によるカドミウム曝露との間にはっきりした量-反応関係が認められています。また、非常に高濃度に曝露された動物に催奇形性の影響が報告されています。
コラム<中毒例>
○イタイイタイ病
富山県の神通川流域で、足腰に限られていた痛みがやがて全身に広がり、咳をしただけでも骨折するほど骨がもろくなり、骨の萎縮のために身長が20cm以上も低くなる、といった症状を呈する病気が発生しました。
この病気は1955年(昭和30年)に患者が「痛い、痛い」と訴えることからイタイイタイ病と名付けられ、1961年には、神通川上流の工場廃液、神通川流域水田土壌、農作物、河川魚類、イタイイタイ病患者の臓器や骨中に、カドミウム、鉛、亜鉛が高濃度に含まれていることが明らかになりました。
カドミウムの慢性中毒のもっとも顕著な症状は腎障害で骨軟化症は含まれていないが、イタイイタイ病ではカドミウム中毒による腎障害の結果、カルシウム・リン代謝異常が起こり、その結果、骨軟化症が引き起こされたと考えられています。
<カドミウムと亜鉛との関係>
カドミウムは亜鉛と多くの化学的および物理的類似性を持ち、自然界では亜鉛と一緒に存在します。 鉱物や鉱石では、カドミウムと亜鉛の比率は一般に 1:100 ~ 1:1,000 です。しかし、生体においては亜鉛とカドミウムは拮抗作用(薬物等を併用した場合、互いに薬効を減らす作用)を持ち、亜鉛をあらかじめ投与しておくとカドミウム毒性は軽減されます。
(近藤雅雄:2015年8月11日掲載)
カドミウム代謝の特徴は、体内蓄積性が高いことです。カドミウムの生物学的半減期は8~30年と長く。体内カドミウムの約3分の1は腎臓に、また6分の1が肝臓に蓄積します。腎臓に蓄積したカドミウムは腎臓の細胞を破壊するため、腎障害を起こします。
1.中毒の発症機序
カドミウムは亜鉛と化学的性質が類似し、そのため、生体中の多くの亜鉛含有酵素の亜鉛とカドミウムが置換し、酵素阻害を起こします。また、細胞内タンパク質のイオウと非特異的に結合するため、生体内のイオウ(含流アミノ酸)を含む多くの酸化還元酵素の活性を阻害します。
2.中毒症状
カドミウムは呼吸器を強く刺激すると共に、腎障害を引き起こす。多量経口摂取時には、催吐性があります。
1)急性中毒
カドミウムのフュームに曝露すると、咽喉頭、気管の刺激症状、胸痛、頭痛、咳、呼吸困難(間質性肺浮腫)が、経口摂取により胃腸症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢)が生じます。また、悪寒、脱力感なども起こります。時には重症な肺炎を引き起こし、死亡する例もあります。
2)慢性中毒
中毒症状として、肺気腫、腎障害(尿細管不全)、蛋白尿が3大徴候です。呼吸器、消化器に関連した自覚症状を訴え、門歯、犬歯の歯茎の縁を取り巻く黄色環を認めることがあります。
呼吸器の症状としては鼻粘膜の潰瘍、無嗅覚症、肺気腫症状がみられます。
腎症状は、尿細管機能障害によって低分子量のたんぱく尿、腎性糖尿、尿中アミノ酸の増加、尿濃縮力の低下、高カルシウムおよび燐尿、尿酸性化障害、高塩素血症、アシドーシス、低燐血症が認められる。その他、低血色素性貧血、肝機能障害、骨塩代謝異常などが起こります。
疫学的研究によって、カドミウム作業者に肺と前立腺のがんの増加が認められています。ある動物実験では、肺がんと吸入によるカドミウム曝露との間にはっきりした量-反応関係が認められています。また、非常に高濃度に曝露された動物に催奇形性の影響が報告されています。
コラム<中毒例>
○イタイイタイ病
富山県の神通川流域で、足腰に限られていた痛みがやがて全身に広がり、咳をしただけでも骨折するほど骨がもろくなり、骨の萎縮のために身長が20cm以上も低くなる、といった症状を呈する病気が発生しました。
この病気は1955年(昭和30年)に患者が「痛い、痛い」と訴えることからイタイイタイ病と名付けられ、1961年には、神通川上流の工場廃液、神通川流域水田土壌、農作物、河川魚類、イタイイタイ病患者の臓器や骨中に、カドミウム、鉛、亜鉛が高濃度に含まれていることが明らかになりました。
カドミウムの慢性中毒のもっとも顕著な症状は腎障害で骨軟化症は含まれていないが、イタイイタイ病ではカドミウム中毒による腎障害の結果、カルシウム・リン代謝異常が起こり、その結果、骨軟化症が引き起こされたと考えられています。
<カドミウムと亜鉛との関係>
カドミウムは亜鉛と多くの化学的および物理的類似性を持ち、自然界では亜鉛と一緒に存在します。 鉱物や鉱石では、カドミウムと亜鉛の比率は一般に 1:100 ~ 1:1,000 です。しかし、生体においては亜鉛とカドミウムは拮抗作用(薬物等を併用した場合、互いに薬効を減らす作用)を持ち、亜鉛をあらかじめ投与しておくとカドミウム毒性は軽減されます。
(近藤雅雄:2015年8月11日掲載)
有害元素1.ベリリウム(Be)の概要及び中毒症状と発症機序
ベリリウムは工業用酸化ベリリウム(BeO)の製造、合金の製造に用いられ、これら作業に従事している場合は年に2回の健康診断が義務づけられています。
ベリリウムの粉塵、フューム等は、肺から吸収されるものがほとんどで、消化器からの吸収率は低い。肺内から侵入したベリリウムの大部分は、血液中を移動し、骨や軟部組織に蓄積します。また、肺組織内、特に肺リンパ節内にも長期間残留します。体内に侵入したベリリウムの殆どは糞便中に排泄されます。
1.中毒の発症機序
生体内の重要な酵素類、特にアルカリ・ホスファターゼを阻害し、リン酸塩の代謝に影響を与えます。また、核酸代謝系の酵素障害により細胞増殖と複製を阻害します。
2.中毒症状
ベリリウム症、ベリリウム病などと呼ばれる肺症状を伴う全身性の肉芽種性疾患を発症する場合がありますが、ベリリウムに対する感受性には、個人差が大きいことが報告されています。
1)急性ベリリウム症
急性中毒としては接触性皮膚炎および皮膚潰瘍、眼結膜炎、咽頭炎、気管支炎、肺炎などの障害が起こります。呼吸器障害(咳、痰)、労作時の疲れ、胸部痛と、食欲不振、全身倦怠感。症状が軽い場合には、風邪症状が出現します。また、可溶性ベリリウム化合物が皮膚に付着すると、接触性皮膚炎が、不溶性ベリリウム化合物が創傷面に付着すると、潰瘍や皮下肉芽腫が発症します。
2)慢性ベリリウム症
慢性中毒としては肺肉芽腫性変化による慢性ベリリウム肺、皮下肉芽腫が起こります。呼吸器障害が主で、徐呼吸、慢性的な咳、発熱、血痰、胸と関節の痛み、心拍数の上昇、食欲減退、体重減少、疲労感、全身倦怠、全身衰弱などの症状が出現します。末期にはチアノーゼや心不全を伴います。
心機能不全を伴う右心房の拡張、肝腫、脾腫、湾曲指肝機能障害、腎臓結石、骨硬化症、肉芽腫を伴う慢性肺炎、肺がんも認められています。(ただし、ベリリウムによる肺がんの誘発は動物腫に対して特異性が高く、ウサギ、ハムスター、モルモットなどの実験動物では、腫瘍は認められていません)
胸部X線写真像上にベリリウム肺として知られる特異な変化が出現します。
(近藤雅雄:2015年8月11日掲載)
ベリリウムの粉塵、フューム等は、肺から吸収されるものがほとんどで、消化器からの吸収率は低い。肺内から侵入したベリリウムの大部分は、血液中を移動し、骨や軟部組織に蓄積します。また、肺組織内、特に肺リンパ節内にも長期間残留します。体内に侵入したベリリウムの殆どは糞便中に排泄されます。
1.中毒の発症機序
生体内の重要な酵素類、特にアルカリ・ホスファターゼを阻害し、リン酸塩の代謝に影響を与えます。また、核酸代謝系の酵素障害により細胞増殖と複製を阻害します。
2.中毒症状
ベリリウム症、ベリリウム病などと呼ばれる肺症状を伴う全身性の肉芽種性疾患を発症する場合がありますが、ベリリウムに対する感受性には、個人差が大きいことが報告されています。
1)急性ベリリウム症
急性中毒としては接触性皮膚炎および皮膚潰瘍、眼結膜炎、咽頭炎、気管支炎、肺炎などの障害が起こります。呼吸器障害(咳、痰)、労作時の疲れ、胸部痛と、食欲不振、全身倦怠感。症状が軽い場合には、風邪症状が出現します。また、可溶性ベリリウム化合物が皮膚に付着すると、接触性皮膚炎が、不溶性ベリリウム化合物が創傷面に付着すると、潰瘍や皮下肉芽腫が発症します。
2)慢性ベリリウム症
慢性中毒としては肺肉芽腫性変化による慢性ベリリウム肺、皮下肉芽腫が起こります。呼吸器障害が主で、徐呼吸、慢性的な咳、発熱、血痰、胸と関節の痛み、心拍数の上昇、食欲減退、体重減少、疲労感、全身倦怠、全身衰弱などの症状が出現します。末期にはチアノーゼや心不全を伴います。
心機能不全を伴う右心房の拡張、肝腫、脾腫、湾曲指肝機能障害、腎臓結石、骨硬化症、肉芽腫を伴う慢性肺炎、肺がんも認められています。(ただし、ベリリウムによる肺がんの誘発は動物腫に対して特異性が高く、ウサギ、ハムスター、モルモットなどの実験動物では、腫瘍は認められていません)
胸部X線写真像上にベリリウム肺として知られる特異な変化が出現します。
(近藤雅雄:2015年8月11日掲載)
有害元素は微量で急性中毒,慢性中毒を発症(環境医学)
必須性が確認されてないが、微量で急性あるいは慢性中毒を起こすミネラルとしてベリリウム(Be)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)、ヒ素(As)、鉛(Pb)が広く知られています。このうち、水銀による水俣病、カドミウムによるイタイイタイ病、ヒ素による宮崎土呂久事件はわが国の産業衛生の歴史上重大な公害病として語り継がれていかなければなりません。
また、これら金属に関連した職業に従事しているヒト、または従事していなくてもこれら金属は私たちの生活環境中に身近に沢山存在しており、これら金属中毒を起こす可能性はいつでも存在しているので、日頃からこれら有害元素についての基礎知識についても学習しておく必要があります。
たとえば、和歌山カレー中毒事件や茨城の飲用水によるヒ素中毒事件など、また、他の金属による身近な装飾品からの接触皮膚炎、さらに必須元素であっても、サプリメントとしてセレン、クロム、亜鉛などなど過剰摂取によって発症する中毒症例が多く報告されています。
ミネラルの場合は他の栄養素と異なって、微量でも中毒を起こすことを念頭に、サプリメントとして摂取する場合は、成分を調べた上で(ほとんど記載されていないが)サプリメント含有当該元素による副作用(過剰症、あるいは中毒症状)を十分に考慮し、もしも症状が出現した場合には直ちに必要な処置を取ることが重要です。
(近藤雅雄、2015年8月11日掲載)
また、これら金属に関連した職業に従事しているヒト、または従事していなくてもこれら金属は私たちの生活環境中に身近に沢山存在しており、これら金属中毒を起こす可能性はいつでも存在しているので、日頃からこれら有害元素についての基礎知識についても学習しておく必要があります。
たとえば、和歌山カレー中毒事件や茨城の飲用水によるヒ素中毒事件など、また、他の金属による身近な装飾品からの接触皮膚炎、さらに必須元素であっても、サプリメントとしてセレン、クロム、亜鉛などなど過剰摂取によって発症する中毒症例が多く報告されています。
ミネラルの場合は他の栄養素と異なって、微量でも中毒を起こすことを念頭に、サプリメントとして摂取する場合は、成分を調べた上で(ほとんど記載されていないが)サプリメント含有当該元素による副作用(過剰症、あるいは中毒症状)を十分に考慮し、もしも症状が出現した場合には直ちに必要な処置を取ることが重要です。
(近藤雅雄、2015年8月11日掲載)
海洋深層水には生体必須ミネラルが豊富に含まれている
海洋深層水は、太陽光の届かない水深200mより深い層にある海水を指します。水質は表層水に比べ、微生物や人工汚染物が少ない(清浄性)、周年を通して水温が低い(低温性)、海洋生物の生産力に必要な窒素やリン、ケイ酸などの無機栄養塩類に富む(富栄養性)、水質の変動が小さい(水質安定性)という特徴を持っています。国内では北海道、山形県、富山県、千葉県、高知県、沖縄県など、国外ではハワイ島で採水されています。
海洋深層水から製造した塩には、生体必須微量元素である鉄、マンガン、コバルト、銅、亜鉛、モリブデンが多く、また吸収され易い形態で含まれているようです。海洋深層水を原料とする飲料水(飲用海洋深層水)は、逆浸透膜方式による脱塩、脱ミネラルなどの処理を行って製品化されています。公正取引委員会は、飲用海洋深層水の表示のガイドラインとして、製造方法やミネラル成分の調整方法、採水地について適切な表示をするよう製造事業者に要望しています。
海洋深層水の利用は塩、飲料水だけでなく、発酵・醸造品、水産加工品などの食品や化粧品、衛生用品さらにエネルギー分野、水産・農業分野へと広範囲に研究・開発が行われています。(近藤雅雄ほか、2003年8月30日「健康・栄養」第三版,p109,第一出版)(近藤雅雄、2003年8月30日掲載)
海洋深層水から製造した塩には、生体必須微量元素である鉄、マンガン、コバルト、銅、亜鉛、モリブデンが多く、また吸収され易い形態で含まれているようです。海洋深層水を原料とする飲料水(飲用海洋深層水)は、逆浸透膜方式による脱塩、脱ミネラルなどの処理を行って製品化されています。公正取引委員会は、飲用海洋深層水の表示のガイドラインとして、製造方法やミネラル成分の調整方法、採水地について適切な表示をするよう製造事業者に要望しています。
海洋深層水の利用は塩、飲料水だけでなく、発酵・醸造品、水産加工品などの食品や化粧品、衛生用品さらにエネルギー分野、水産・農業分野へと広範囲に研究・開発が行われています。(近藤雅雄ほか、2003年8月30日「健康・栄養」第三版,p109,第一出版)(近藤雅雄、2003年8月30日掲載)



