一方, 筆者が(財)医療経済研究所・社会保険福祉協会(社福協)主催の第6回健康食品フォーラム(2005年10月5日に開催)にて「日本型食生活と健康」と題した招待講演を行いました。健康食品会社を経営する飯島毅彦氏はこれを見て『「健康と栄養」に関するホームページを作成し,講演内容を公開したい』との申し出があり,喜んで了承しました。その後,同社の納富啓輔氏によって「近藤雅雄の健康・栄養資料室」として発展,原稿はスマホやコンピュータで誰でも自由に見ることができます。
筆者は厚生労働科学研究に関わる研究公務員として約40年間,各時代に応じた目標・計画を定め,これを遂行してきました。その基本姿勢として生涯「学ぶ」「考える」「教える」ことに最大の価値を置きました。そして,生涯の仕事である「教育と研究」に対しては常に人間関係を大切にし,他人軸(相手の立ち位置と考え)に立って,オリジナリティを見出しては一歩ずつ進化させてきました。これが積み重なって、気が付けば1,500件以上の論文・記事を公表しました。内容は拙著「教育と研究,業績集1971~2021年,2022年4月1日発行」に記載しました。これにネットの原稿を加えると2,000件近くになります。
今年77歳,喜寿を迎えましたが,余命短く,ネットに掲載した345件の投稿原稿もいつ消えるかわかりません。そこで,書物として遺すことを考えました。
本書は,ルーペを使っての執筆,校正,編集,装丁を一人で行った手作りの作品です。また、ネットに公開した原稿の誤字などの修正、新たな加筆を行いました。
内容は,主に①健康・栄養を中心とした保健・環境と②難病「ポルフィリン症」を中心とした医療・福祉の二つからなり,各々教育と研究の立場から執筆しました。
①、日本は長寿国です。その理由の一つとして,連綿と受け継がれてきた日本独自の食文化が挙げられます。日本は多様な自然,風土,四季から得られる豊かな食材を活用したさまざまな伝統食があります。しかし,戦後,日本型から欧米型へと急速に変化し,これが日常生活およびからだのリズムに影響を及ぼし,生活習慣病やメタボリック・シンドロームの増加原因になっていることも事実です。そこで,日米および高齢者の食生活を科学的に検証し,新たな「日本型食生活と健康」を提唱しました。
②、ポルフィリン・ヘムに関する学術研究会・学会の創設,学術雑誌の創刊,患者会の創設・運営を行いました。難病ポルフィリン症では発症機序の解明,診断・治療法,診断基準の作成や臨床統計などの研究成果を、同時に多くの協力を得て誕生した念願の指定難病制度,その経緯などを示しました。
また,教育としては保健所や衛生試験所の医師や看護師,管理栄養士の再教育,大学の医学部,理工学部,経済学部,専門学校などでの講義,東京都市大学では学部長として人間科学部の立ち上げ,運営・教育・研究,国際鍼灸専門学校では学校長として82件の規程作成や各種委員会の設置等々,後進の育成に全力を注ぎました。
筆者は,公務員として「保健,医療,福祉,健康に関わる研究成果はすべて公開する義務がある」と考え,執筆活動を続け,社会貢献してきました。それを集大成したのが本書です。ネットの資料室および本書が皆様の役に立ち,ポルフィリン代謝異常症では早期診断,治療,予防および病態機序理解などに役立てて頂ければ嬉しいです。
最後に,職業上,これまでに出会ったすべての人,物,環境,多くの生き物たちに感謝します。そして,残り僅かないのちに,生きるこころを持って前進します。(近藤雅雄,2026年10月6日掲載)
(下の写真は本書(A4版,274頁,2026.10.1発行,表紙(左)は国立公衆衛生院の正面玄関と白鷺,2003年1月29日,筆者撮影、裏表紙(右)は松江城,2008年10月17日,筆者撮影)



