研究回想6.世田谷区が福祉区民学会を創設して17年

 東京都世田谷区は、わが国ではじめて福祉に関する施設や事業所,大学,行政及び区民からなる「せたがや福祉区民学会(以下,区民学会)」を平成21(2009)年12月に創設しました。

 区民学会の会員は世田谷区内の福祉施設や事業所で働き,学び,研究する人と区民および行政で構成され,相互に対等平等な立場で,福祉実践活動の工夫や抱える課題などについての研究し,その成果を発表し,学びあい,区民福祉の向上を目指しています。大会は,区内の福祉系大学が持ち回りで会場校となり会員と学生ボランティアが一体となって開催しています。 こうした福祉関係者と住民,学生と行政が一緒になって研究発表する学会は,国内では初めてだろうと思います。そこで,創設時のメンバーの一人として,過去を回想しました。

 東京都市大学が2009年に開設されてから、しばらくして世田谷区社会福祉事業団、世田谷区福祉人材育成・研修センターの河畠修氏と鈴木誠作氏だったと思いますが来学し,区民学会設立に関する主旨、内容についての説明があり、参加要請されました。学会の初代会長は自閉症研究の第一人者石井哲夫先生、そして運営委員長が昭和女子大学教授の永山誠先生といった福祉関係の著名人でした。河畠氏と鈴木氏の熱意に打たれ、参加することを承諾しました。
 運営会議はいつも忙しい時に小田急線成城学園前駅近くにある福祉人材育成・研修センターの研修室Aに午後7時から開催。第1回の運営委員会は10名の委員がそれぞれ福祉の現状と将来を考え、熱心に議論したことを覚えています。当時、大学の加盟校は4校(昭和女子大,日大文理,駒大,都市大)でした。

 現在,区民学会は139団体,10大学が加盟し,設立時とは比較にならない程発展しました。そして,世田谷区の福祉政策・行政は科学的根拠に従ったさまざまな新しい取り組みが行われ,注目されていると聞きます。福祉関連の仕事に従事している人や学んでいる学生にとっては,働き・学び甲斐のある地域であると思います。
 この様な活動は,地域で学び、地域で育ち、地域の発展に貢献すると言った正の連鎖が起こります。現在,地域創生が求められていますが,世田谷区のような行政主導の活動も考えてみてはいかがでしょうか。

 東京都市大学にて第17回大会が今年の11月8日(土)に開催されました。私は13年前に開催した第3回大会の総括を思い出し、下記のPDFに示しました(近藤雅雄、2025年11月26日掲載)
PDF:世田谷学会第3回全体総括2012.2.10