著書27.自分史「教育と研究」家族との歩みと人生の目的

 両親は5人の子どもを育て、貧しいながらも地域社会の発展に大いに貢献しました。私が高校生の時には、兄姉皆独立して家を出ました。本書(A4版105頁、2021年5月1日発行)は2020~2021年のコロナ禍、これまでの人生を顧みる良い機会として、生誕から今日までの歩みを回想して人生の目的をさらに「前へ」進めるために執筆しました。

 家族の学びとして、父からは「社会の期待に応える生き方」、母から「思い遣りと優しさ」、長男から「家族を大切にする姿勢」、次男から「何でも自分の力でやる精神」、三男から「自分が決めた道を信じて前へ」の言葉をそれぞれ頂き、今でも大切にしています。また姉からは登山の素晴らしさ、「自然を愛するこころ」を教えて頂きました。兄姉で登った白馬岳は初恋の山です。
 家族は生き物が好きで、犬、猫、鳥など様々な小動物、魚類、果実、野菜類や万年青など動・植物がいつも狭い敷地内に寄せ合っていました。これが私の「生命科学への興味」の原点です。
 社会人として、将来への道が拓けたのは国立公衆衛生院での公衆衛生学研究でした。そこで、生命の機序に関わる生化学(biochemistry)研究に興味を持ち、30歳にしてそれを理解してくれた嫁との結婚と同時に、両親と共に生活するための家を設計・新築し、新たな生活が始まりました。そして、11年後に父を、18年後には母をそれぞれ介護、見送りました。
 社会貢献としては、「研究者」の道と同時に、生理学、栄養学の講義を上司より勧められ、「教育者」としての道も歩むことになりました。初めての領域でしたので、夏のボーナスを全額注ぎ込んで国内外の専門書約30冊を購入し、独学しました。執筆者が異なっていたので大変勉強になりました。これが後の研究者としての人生に大きく影響し、「やればできる(不可能なことはない)」「学ぶことに最大の価値を置く」「基本に戻る」が私の精神、哲学となっています。振返れば、業績として論文などの原稿執筆、国内外での講演、特許など、総計1500件以上となり、さらに、講義を45年間行い、教え子は1万人以上になります。年間60件以上の業績を出したことも何度かあります(メニューのプロフィール参照)。現在76歳、良い家族と仕事と仲間に恵まれ、多くの人々に支えられた人生でした。(近藤雅雄、2025年11月16日掲載)