レーズン中の食物繊維は腸内環境の改善に伴う整腸作用、大腸がんの予防、鉄分は貧血予防、カリウムはむくみ予防・血圧調整、ホウ素はエストロゲン、ビタミンDの活性化による骨粗鬆症の予防、ポリフェノールはアンチエイジング、生活習慣病予防など、多様な健康効果が期待されています。その効果を纏めると、①整腸作用、②貧血予防、③むくみ・高血圧予防、④抗酸化作用、⑤エネルギー補給、⑥美肌効果、⑦骨の健康保持、⑧眼の健康と疲労回復、⑨GI値が低く、食後血糖上昇の抑制(糖尿病の予防)の9つが挙げられます(詳細はPDFを参照)。
レーズン摂取の目安は1日50~60粒程度(30gのレーズン、約97kcal)です。一般的に、高齢になると共に便通が悪くなるようです。私も同じでしたが、毎食後、野菜と15粒前後のレーズンを摂取してから、便通は改善しました。
レーズン中の主な栄養成分を「食品成分表」及び「食品の微量元素含量表」にて調べました。
可食部100g当たり、エネルギー301kcal、たんぱく質2.7g、脂質0.2g、炭水化物80.7g、食物繊維4.1g、ポリフェノール0.4g、ビタミンB群、A,E、ナトリウム12mg、カリウム740mg、カルシウム65mg、マグネシウム31mg、鉄2.3mg、ホウ素0.76mgでした(詳細は下記PDF)。
食品成分の特徴として、水溶性・不溶性の食物繊維がバランスよく含まれています。不溶性は腸に刺激を与えて便通を促し、腸内の有害物質の排泄を促進する効果があります。水溶性は善玉菌のエサとなって腸内環境を整える作用や、最近の研究結果ではレーズンの酒石酸と食物繊維の組合せが、大腸機能と腸内環境改善・健康保持に大きな役割を果たし、結腸がんの予防も示唆されています。
ミネラルについては、カリウムがナトリウムの約62倍と多いため、体内の余分なナトリウムを排出し、ミネラルバランスを整え、むくみや高血圧の予防・改善の効果が伺えます。また、ホウ素(すべての哺乳類に必須な元素であると考えられています)が多く、エストロゲンやビタミンDを活性化することから、骨粗鬆症を抑制し骨を丈夫に保つ働きが示唆されます。
ポリフェノールとしては、エピカテキンやアントシアニンが含まれていますので、加齢や生活習慣病の原因となる活性酸素の除去、疲れ目の改善に役立つと思われます。下記PDFを参照して下さい。(近藤雅雄、2025年10月14日掲載)
PDF:レーズンの主な健康効果



