肝赤芽球性ポルフィリン症(Hepatoerythropoietic porphyria,HEP)は1967年にGüntherによって肝性と骨髄性の双方の生化学的性質をもつ珍しいポルフィリン症として初めて報告されました。
ElderらはHEP患者のウロポルフィリノ-ゲンデカルボキシラ-ゼ(UROD)活性が正常の7~8 %であることを認め、家族性晩発性皮膚ポルフィリン症(familial porphyria cutanea tarda,fPCT)のホモ接合体として考えられている。本症は2000年までに世界で約30例しか報告がない極めて稀な疾患である。HEPはfPCTと同じUROD遺伝子の異常ですが、前者は常染色体劣性遺伝であり生後~幼児期に発症するのに対し、後者は常染色体優性遺伝し、主に成人後発症します。URODは骨髄赤芽球よりも肝での発現量が低いため、HEP、fPCTは共に肝性ポルフィリン症として分類されます。しかし、HEPではUROD活性が著明に減少しているために肝と骨髄の双方でポルフィリンの代謝異常が生じます。
今回、我々は赤血球遊離protoporphyrin(FP)および尿中uroporphyrin(UP), heptacarboxyl porphyrin(7P), coproporphyrin(CP)が異常高値を示し、HEPが強く疑われた患者を経験しました。症例は15歳の男性で、強い光線過敏症、著明な肝腫大、黄疸を認めたが、貧血、腹痛、嘔吐、便秘はない。また、尿および血液の著明なポルフィリン代謝異常を見出し、患者の臨床症状および尿・血液中のポルフィリン分析により、わが国で初めての肝赤芽球性ポルフィリン症が強く疑われました。以下のPDFに論文(掲載論文:近藤雅雄 ポルフィリン8(2):81-86, 1999年)を添付しました。(近藤雅雄、1999年11月24日掲載)
PDF:肝赤芽球性ポルフィリン症が疑われた一症例の論文



