日本皮膚科学会研修委員会刊「ポルフィリン症の生化学的診断」

 1996年度日本皮膚科学会研修委員会で刊行された日本皮膚科学会西部支部企画前実績研修講習会「ポルフィリン症の生化学的診断」である。
 ポルフィリン症はポルフィリン代謝系酵素の遺伝的(一部非遺伝的なものもある)障害によりポルフィリン代謝産物の過剰産生、組織内蓄積、また排泄増加を起こす一連の疾患群である。ポルフィリン症のほとんどの病型が光線過敏症を主訴とするため、皮膚科領域で取り扱われることが多く、決して稀な病気ではない。したがって、光線過敏症を訴える患者についてはポルフィリン症を疑うべきポルフィリンの生化学検査を必ず実施することが望ましい。尿、糞便または血液中のポルフィリン代謝産物の増量が認められればポルフィリン症の可能性が高く、さらに、ポルフィリン代謝産物のパターン分析を行なえば鑑別確定診断も可能である。 (近藤雅雄著:日本皮膚科学会研修委員会刊1996年度, 1991年4月5日発行)


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