科学的根拠に基づいた難病「ポルフィリン症」の診断基準

 ポルフィリン症はヘム代謝系に関わる8つの酵素のいずれかの活性低下により、ポルフィリンあるいはその前駆体が体内に増量・蓄積することによって発症するまれな遺伝性疾患である。現在、9病型が報告されているが、病態の大部分は不明であり、根治療法がない。各病型間で症状に重なりがあるが、診断は非常に難しく、確定診断には生化学診断や遺伝子診断などが必要である。
 ここでは厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「遺伝性ポルフィリン症の全国疫学調査ならびに診断・治療法の開発に関する研究」にて作成した診断基準案(2009,2010年度総括・分担研究報告書)を基に作成した。根拠は国内学会にて発表、公開したデータ(論文)に基いた。

 診断基準は急性ポルフィリン症として急性間歇性ポルフィリン症遺伝性コプロポルフィリン症多様性ポルフィリン症皮膚ポルフィリン症として赤芽球性プロトポルフィリン症先天性赤芽球ポルフィリン症晩発性皮膚ポルフィリン症X連鎖優性プロトポルフィリン症肝赤芽球性ポルフィリン症と診断されたものを、各々対象とする。

 それぞれの病型にて①臨床所見、②検査所見(発作時)、③遺伝子検査、④除外診断、⑤参考事項、診断の判定についてのチェック項目があるので以下のPDFを参考にしてください。(近藤雅雄、2025年4月26日掲載)

PDF:ポルフィリン症の診断基準