病気と治療3.喘息のステロイド治療ミスで意識不明に

 46歳時(1996年7月24日)、過労による喘息発作が発症したので、知り合いの都立病院肝臓内科の医師に電話し、呼吸器の専門医の紹介をお願いしました。呼吸器内科の若手女医を紹介され、外来を受診、ステロイド剤投与による治療が行われました。しかし、投与計画の医療過誤により自宅にて急性発作、意識が消えた。そして、私は救急車で特定機能病院日本医療機能評価機構認定病院の某有名私立大学医学部附属病院(大学病院)の救急外来に搬送されました。そのまま呼吸器病棟に入院となり、16日間治療を受け命拾いをしました。退院後、都立病院呼吸器内科の女医には報告しても過去のことであり、この医師は後ろを振り向くような人ではなく、前しか見ない人であろうと思い、伝えませんでした。

≪参考≫
 ステロイド薬の正式名称は「副腎皮質ステロイド薬」といい、副腎皮質から内分泌されるステロイドホルモンを化学合成した医薬品(合成薬)です。
 副腎皮質は生命維持に不可欠な臓器で左右の腎臓の上に一つずつ、計2個ある。この副腎皮質から糖質コルチコイド、電解質コルチコイド、男性ホルモンが内分泌される。臨床でよく使われるのは炎症やアレルギー、ストレスを抑える上でもっとも強力な作用を持つ糖質コルチコイド(コルチゾール)です。医薬品ではプレドニゾロンやデキサタゾンなど作用の違いなどによって20種類以上が合成されています。正しく使えばよい薬ですが、長期間の投与や投与量を間違えると、さまざまな副作用(高血圧、糖尿病、骨粗鬆症、胃潰瘍、感染症など)や命の危険が生じることが知られています。 (近藤雅雄、2025年4月1日掲載)