“ポルフィリン症とがん”との関係は国によって報告が異なりますが、未だにはっきりしません。日本では、経験的に晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT)は肝臓がんの合併が約5%見られましたが、C型肝炎との合併(約85%)が多いので、感染による影響とも思われます。多様性ポルフィリン症(VP)では肝臓がん、大腸がんなどの消化器がん発症例を数人経験したましが、その他のポルフィリン症については不明です。がんとの関係で考えられるのは蓄積したポルフィリンから発生する活性酸素が推測されますが、科学的根拠はありません。
1)8個のカルボキシル基(COOH)を持つウロポルフィリン(UP)が体内に過剰生産・増量するCEP,PCTではヒドロキシラジカル、スーパーオキシドラジカルを発生します。これら疾患では皮膚症状が重いが、CEPは骨髄赤芽球でのポルフィリン代謝異常であり、がんを発生するという科学的根拠はありません。
2)2個のカルボキシル基を持つプロトポルフィリン(PP) が体内に過剰生産・増量する赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)では、組織、とくに肝臓にPPが沈着・蓄積し、ヒドロキシラジカルなどが発生します。肝障害さらに肝不全を起こすことが報告されていますが、がんとの関係は見出されていません。
3)UP, PP両者の増量するVP、肝赤芽球性ポルフィリン症(HEP)では、皮膚症状と肝障害が重症化し易いが、がんとの関係は見出されていません。
4)4個のカルボキシル基を持つコプロポルフィリン(CP)が体内に過剰生産・増量する遺伝性コプロポルフィリン症(HCP),鉛中毒では、一重項酸素が発生します。UPやPPの増量する疾患に比べて皮膚症状や肝症状は軽症のことが多い。また、がんとの関係は見出されていません。
(近藤雅雄、2025年3月30日掲載)



