ピーマンの栄養効果を調べるために、ピーマンを高齢者に2週間お昼の弁当に加えて食べていただくという介入試験を元国立健康・栄養研究所、現国立研究開発法人
医薬基盤・健康・栄養研究所にて行いました。その結果、免疫機能、抗酸化機能、脂質異常改善作用などがあることがわかりました。これらの作用は主にピーマンに含まれているポリフェノールの一種、ルテオリンという物質によることがわかりました。ルテオリンはさらに抗アレルギー機能、抗癌作用があることが最近の研究によってわかっております。抗がん作用については、ルテオリンのがん細胞を死滅するメカニズムも解明されています。食品としてピーマンを摂取する場合は熱に強いビタミンCや食物線維も豊富ですので大変からだにいいようです。ピーマンは子どもの嫌いな食品の第一位を長年維持していますが、実はからだにはとってもいいことがわかりました。
ピーマンはさまざまな種類、仲間がありますが、その中でも、赤ピーマンには抗酸化物質であるルテオリン、ケルセチン、ルチンなどと言った、おなじみのポリフェノールを大量含んでいることを私たちは見出しました。ルテオリンには、さらに抗糖尿病作用、炎症抑制作用、抗加齢作用といった多くの作用が科学的に証明されています。また、ビタミンCは野菜果物中で一番多く含まれ、レモンの3.6倍含まれています。さらにビタミンEはバナナの9倍など抗酸化ビタミンの宝庫とも言えます。(近藤雅雄、2025年3月7日掲載)