コーヒーの苦味が嫌いな方もいますが、実はコーヒーはからだにとても良い飲み物なのです。皆さんがよくご存知のカフェインには、興奮作用のほかに抗疲労、抗肥満、口臭予防などの効能があります。
最近、クロロゲン酸という成分が注目されています。クロロゲン酸は、3,4-ジヒドロキシ桂皮酸とキナ酸とのエステルです。桂皮酸はベンゼン環を持ち、熱で分解され芳香を放ちます。また、キナ酸は酸味と弱い苦味を持ち、加水分解されやすいことから、このクロロゲン酸は、コーヒー特有の褐色の色や苦味、香りの元だといわれています。
クロロゲン酸成分は、赤ワインのアントシアニン、お茶のカテキン、そしてココアのカカオポリフェノールなどと同じくポリフェノールの仲間です。その強い抗酸化作用によって、がんや糖尿病、動脈硬化の予防に有効だそうです。
コーヒーの飲用(1日3杯)は肝がん、子宮体がん、大腸がんや結腸がん、脳腫瘍のリスクを下げるとの報告があります。
こうした効果はコーヒーに含まれる炎症を和らげる成分やクロロゲン酸やカフェインによるインスリン抵抗性の改善作用によるものと考えられています。
からだをゆっくりと休め、心地よい芳醇が漂うレギュラーコーヒーを一杯召し上がって自分の時間を楽しんでみてはいかがですか。(近藤雅雄、2025年3月6日掲載)