平成12(2000)年2月17日から21日まで聖マリアンナ医科大学の工藤吉郎教授と共にプライベートで鹿児島と宮崎に住むポルフィリン症患者(活性酸素が原因で起こる多彩な症状を呈する病気)の調査に行きました。患者の皆さんは高齢にもかかわらず大変お元気なので鹿児島在住の多様性ポルフィリン症(VP)の患者さんにその秘訣を伺うと、ルイボスティ-を紹介されました。患者さんは「これを飲むと皮膚症状や血圧などが改善され、さらに糖尿病にも効く」と言っていました。
そこで、ネットで調べるとルイボスとは南アフリカの喜望峰山脈地帯でのみ自生するマメ科の属する針葉樹で、学名はアスパラサス・リネアリスとありました。南十字星が輝くこの地の澄み切った空気と灼熱の太陽の下、化学肥料を一切使用せず、自然栽培され、海抜450m以上の高原地帯でのみ育生される非常に珍しいハーブティーであるということです。カルシウムやカリウム、マグネシウムなどからだにいいミネラルや活性酸素を除去するフラボノイドを大量に含んでいるため、南アフリカやヨーロッパでは古くから不老長寿のお茶として愛飲されているそうです。
ここで、興味を惹かれたのは、南アフリカという場所です。17世紀に一人のVP患者(活性酸素によって光線過敏症と腹部・神経症状を共に有する病型)のオランダ人宣教師が入国してから、VPが一気に広がり、現在では白人千人に対して3名という世界でも珍しく多い国です。筆者は、このルイボスティーはポルフィリン症をはじめ国民の多くが捜し求めていた活性酸素によって発症する多くの病気の予防薬または治療薬と思いました。ルイボスティーはカフェインがゼロで安く、苦味が少なくまろやかなので小さな子供も安心して飲めます。
加えて、玉ねぎの皮(茶色の部分)を乾燥させ、その一掴みをやかんに入れ、沸騰させ、5~10分後、皮を取り除き普通のお茶と同じように飲む。この時にルイボスティ-を1包入れると更に効果が出るそうです。鹿児島の患者さんはこれを長年飲み続けているそうですが、健康長寿です。なによりも、自分たちがからだに良いことをしていると自覚されていることがプラシーボ効果となってさらに良い方向に作用しています。これが元気の秘訣です。(近藤雅雄、2025年3月6日掲載)