現代人の免疫能は低下し、特に高齢者ので著しく低下しています。その主な原因として、急速な食生活の変化、肥満、加齢、ストレスなど、各種酸化ストレスによる影響が示唆されています。この活性酸素が原因で起こる各種疾病の防御を目的としたフラボノイド類の摂取が注目されています。
フラボノイド類には約5-7,000種ともいわれる多数の物質が報告され、その構造は極めて似ていますが、その抗酸化機能は各種異なります。これらフラボノイドの標準統一分析方法は未だになく、各々の抗酸化物質の抗酸化能についてもはっきりしていないのが現状です。
そこで、約30種類の抗酸化物質についてその作用を検討すると同時に、世界に先駆けてUV検出器とHPLC分析による各種フラボノイドの一斉同時自動分析法の開発を行いました。さらに、各種野菜・果物のフラボノイドを分画定量し、その含有量およびペンタキープ(ALA肥料、コスモ石油(株))投与による影響を検討しました。
その結果、これまでに多くの抗酸化物質の中で、ルテオリンが細胞内・外での活性酸素消去能が最も高いことを見出し、さらに、ALA(δアミノレブリン酸;ヘム合成の出発物質)を投与し、栽培した植物中のフラボノイドおよびミネラル量に及ぼす影響について検討を行いました。その結果、ルテオリンをはじめフラボノイド類が平均約10倍増量することを見出しました。(近藤雅雄、20223年3月11日掲載)
PDF:植物内ポリフェノール増量方法の発見



