著書23.血液のがん「原発性マクログロブリン血症」

 血液のがん「原発性マクログロブリン血症(WM)」は難治性の超希少疾患です。根治療法はありませんが、分子標的薬リツキシマブ点滴薬、イムブルビカやベレキシブル等の経口薬が開発されています。筆者は、これまでに骨髄赤芽球のヘム合成調節に関する研究を行なってきましが、恥ずかしながらこの病気は聞いたことがありませんでした。そこで、まずこの病気はどういう病気か、診断、病態、治療、予後、Q&Aなどについて纏めました。

執筆に至った経緯(趣旨)は
①本疾患が100万人に数人という超稀少疾患であり、5年生存率36~50%で根治は望めない。
②70歳以上の高齢者に比較的多く発症する。
③大学医学部附属病院でのがん治療の意義。
④新型コロナウイルスmRNAワクチン接種のリスクと政治・行政。
⑤病は気から、健康と病気、自発的治癒の経験。
⑥超稀少疾患のため、標準治療法、臨床統計、疫学データが確立していない。
⑦本症に対する研究があまり行われていない。
などが主な理由です。
 本書は本症患者と真面目に治療に専念している血液がん専門医師および大学医学部図書館、そして患者に寄贈することを目的として執筆しました。(近藤雅雄著:2023年3月31日発行、B5版、200頁)
 超稀少疾患である本症に関して、血液学の専門家には知られるようになりましたが、一般にはほとんど知られていません。それは、本症に対する論文報告や症例報告が少ないことが大きな理由です。医師・医療関係者は患者の臨床データを公開し、治療研究に専念してほしいと願います。それは医師の義務です。(近藤雅雄、2024年4月16日掲載)
PDF:原発性マクログロブリン血症、目次