指定難病ポルフィリン症の専門外来が芝浦スリーワンクリニック(東京浜松町)に開設されて2年近くが経つ。同クリニックと連携してポルフィリン症患者の診療を行っている東京都済生会中央病院神経内科・総合診療内科部長の足立智英氏らとポルフィリン症診療の現状と問題点について分析し、これを2017年4月14日、東京国際フォーラムで開催されている日本内科学会にて報告した。
専門外来開設後にポルフィリン症またはポルフィリン症の疑いで両施設を受診した患者51例について検討した。その結果、確定診断例の発症から診断までの期間が1年以内は18%に過ぎず、20年以上が27%を占め、多数の患者が未診断のまま症状や合併症に悩まされている可能性が示唆された。このことは、未だにポルフィリン症の認知度が低く、診療できる医療機関も少ないことから早急に疾患の啓発とともに診療体制の整備が必要であることを示している。
本研究の結果は以下のPDF(第114回日本内科学会講演会内容)で示したので参照されたい。
(近藤雅雄:掲載日2017年5月26日)
PGF:内科学会ポスター