食生活による生活習慣病,がん,花粉症,認知症の予防

 スイーツを好む人が全世代で増加している。とくに子どもの時に好きになると厄介だ。嗜好は大人になってもあまり変わらない。生活習慣病の予防や健康増進といった観点からも早めに改善したい。さて、表題に挙げた疾病の予防は抗酸化に関わる物質(ビタミンA, C, E、ポリフェノール、セレンなどを含む食品)、ビフィズス菌などの善玉菌を含む食品、食物線維を多く含む野菜、発酵食品、納豆・オクラなどのネバネバ食品などの摂取が基本となる。また、旬なものを摂取する。

心臓病  LDLコレステロールを減少させるにはさばの水煮缶(マルハ)にEPA(1.87g/缶)含まれ、1g/1日、1缶/1日。EPAは熱に弱いので、サラダなどで摂取すると良い。大根(イソチアシネート)、たまねぎ(イソアリイン:涙を出す成分)と一緒に摂取するとより効果的だ。

高血圧(1/3人) 抗酸化物質を摂取する。100g当たりのポリフェノール量はりんご220mg、赤ワイン180mg、チョコレート840mg。72%以上のカカオが含まれているチョコレートを1日25g以内、摂取してはどうか。食べ過ぎは腎臓病と関係するので止める。減塩、リンゴや根菜類などのカリウムの多い食品を摂取する。また、合谷を指圧すると良いそうだ。

糖尿病(Ⅱ型95%、1/5人) トマト(赤い色素リコピンが豊富で、ビタミンEの100倍以上の抗酸化作用がある)は血糖値を下げ、ジュースにして摂取する。新鮮なオリーブオイルをさじ1杯加え、レンジで温めて飲むと4.5倍リコピンの吸収率が高まる。血糖降下剤と同じ効果があり、血糖値が160㎎/dlなら110㎎/dlに低下する。
が ん みかんの皮を熱湯消毒し、天日干しで数日間乾燥させる。その後、粉砕して食べる。精油のリモネン、フラボノイドのヘスペリジン、カロテノイドのβ-クリプトキサンチン、水溶性食物繊維のペクチン類など作用メカニズムの異なるさまざまながん予防物質が見つかっている。ビタミンDやキノコ類など注目されている。

認知症 カマンベールチーズ(白いカビ様の部分)にオレイン酸アミド、デヒドロエルゴステロールが含まれ、認知症の原因と言われている脳内のβアミロイド量を減らす。同時に赤ワインを2~3杯程度、または、ビールを飲むと効果的だ。ビールの苦み成分に(ホップ由来)イソα酸が含まれ、発がん抑制効果、アルツハイマー病予防効果があるそうだ。

花粉症 原因となるIgE抗体を減少させる食材はれんこん(タンニン、ムチン含む)に含まれ、1日40g、皮ごと輪切りや細かくしてポタージュスープなどで摂取する。2週間効果がある。また、レンコンをすって綿棒で鼻に塗付しても効果がある。

便 秘 食物繊維の1日の必要量は男性20g、女性18gだが、それを満たしている人は少ない。そこで、100g当たりの食物繊維量の多いレタス1.1g、ごぼう5.7g、柿1.6gに新鮮なオリーブオイルをかけ、1日2回、朝と夕方摂取すると良い。野菜としての必要量は一日350gとなる。野菜ジュースは以外と糖質量が多く含まれているので注意する。ビフィズス菌などの善玉菌が多く入ったヨーグルトもおススメだ。個人差があるがリンゴもよい。

(掲載日:2019年4月2日、2025年3月5日修正、近藤雅雄)