脳の発達と機能維持に重要なドコサヘキサエン酸(DHA)

 オメガ3系脂肪酸の一種であるαリノレン酸は体内でエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)に変換されます。EPAとDHAは魚油など一部の食品中に天然に存在します。
 オメガ3系脂肪酸は脂質異常症患者において血中の中性脂肪と超低比重リポタンパク質(VLDL)値を低下させると言われています。
 DHAは脳内に存在し、脳の発達と機能のために重要です。脳のシナプスに豊富に含まれ、ニューロンでのシグナル伝達に関与していることが示唆されています。神経やシナプスの膜形成に必須で、記憶力向上、認知症予防、抗うつ作用など、脳機能を向上し正常な神経機能に関与する物質として注目されています。
 記憶の要、大脳辺縁系の海馬にも多く含まれています。脳代謝・血流改善作用として、①血管壁の細胞膜を柔らかくする。②赤血球の細胞膜も柔らかくする。③神経伝達物質の産生量を増やすことが知られています。また、ストレス耐性を強化する働きもあると言われています。注意欠陥多動性障害(ADHD)では脳の機能異常や神経伝達物質の不足が見られ、DHAを含むオメガ3系脂肪酸を適切に摂取することで、脳機能の悪化抑制や症状改善に繋がる可能性が報告されています。また、網膜細胞を正常に保ち、視覚機能の改善に有効です。近視の改善が見られたという調査結果があります。
 EPAとDHAの供給源としては魚(ブリ、イワシ、サンマ、ウナギなどや甲殻類とその魚油および魚卵)と内臓肉などが知られています。(近藤雅雄、2015年10月5日掲載、2025年9月4日更新)